「パニック障害奮闘記」 最終話 いまだ道半ば。しかし必ず回復はします。諦めずに続けよう。

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さて、遅まきながら「メンタルクリニック」へ行き、自分の病気とキチンと向き合うことに決めた私。

「パニック障害奮闘記」第5話 初めての心療内科。選び方は?どんなこと聞かれるの?いくらかかる?
前回まで 何とか自力で治そうといろんな手を使ってリハビリを行いました。 パニック障害奮闘記第四話 それでも自力で治そうと無駄な努力を続ける私・・その結果は ! しかし、少しはよくなったかと思えばある時はダメだったり...

 

しばらくは薬を一日3錠、通院しながら病状を報告。

普通の生活をしている間はさほど発作も起こらなくなってきたので、いよいよ「認知行動療法」リハビリに再チャレンジすることにしました。

 

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私が行ったリハビリ方法紹介

 

これはあくまで私に限った話なので、参考にするとしても、必ずしもこれが効くという話ではないのでその点をご理解の上お読みください。

一口に「パニック障害」「不安障害」と言っても人それぞれ、症状が違えばリハビリ方法も違います。

必ずカウンセラーやお医者さんの指示に従って行ってください。

 

 

①やはりまず「各駅電車に乗る」ことが最初です。

 

今度は朝の、ラッシュが過ぎて比較的空いている時間帯に「挑戦」することにしました。というのも、夜に挑戦して失敗した時の「落ち込み具合が半端ないからです(笑)

暗い夜道を傷心のまま帰ってくる時のみじめさと言ったら・・。昼間ならそこまでなりませんので、朝10時過ぎをめどに準備をします。

とにかく体調を整え、御飯もしっかり食べてリラックス状態を保ちます。そして薬を一錠服用。

この手の抗不安薬というヤツは効いてくる時間帯が薬によってまちまちです。

僕のもらった薬は割と即効性があって、飲んでから30分ほどで効き始め、2時間過ぎくらいがピークになると言われているものです。効き目は割とありますが副作用はそれほどでもないという結構バランスのとれた抗不安薬と言われています。(別に名前言っても問題ないとは思うのですが・・一応グーグル先生が怖いので(笑))

 

なので、薬の効果が10時から11時頃ピークになるよう、8時過ぎくらいに一錠、服用します。

 

すると、30分くらいして体の中からフワ~ッとした、温かいものに包まれてるような落ち着いた気分になれます。

 

 

抗不安薬とは

抗不安薬は自律神経に働きかけ、その活動をコントロールするのです。

人間、不安感や緊張感に包まれているときは交感神経が活発に働いている状態です。

 

交感神経

「戦う神経」とも言われ、人間が活発に動いているときに働く神経です。スポーツなどに没頭しているときや、会社や学校で人と会っている時など、緊張している場面でよく働く神経です。

 

副交感神経

逆に、不安もなく、リラックスしている時に働く神経です。眠くなったり緊張を抑えてリラックスさせることで、体の回復機能の活動を促すのです。

 

パニック障害は、この「交感神経」が必要のない時まで活動してしまう病気。

抗不安薬を飲むことで副交感神経に働きかけ、体全体をリラックスさせるのです。

実際薬を飲むとなんとも言えない落ち着いた気分になれて緊張感が和らぎます。効きすぎると眠くなってしまうので、今から車の運転をするという人は飲んではいけない薬でもあります。

 

フワ~ッとした気持ちのまま、さっそく電車に乗るために駅へ。でも最初のうちはやはりまだ緊張が勝ってしまうためか、駅に近づくにつれさっきまでリラックスして眠いくらいだったのにだんだんと心臓が高鳴ってきました。

(ちなみに、僕は一人で挑戦しましたが誰か一緒に行ってくれる人がいるならその方がいいです。僕はそんなこと頼める友人居ないので(笑)。例えば芸能人でパニック障害をカミングアウトした一人、お笑い芸人の「中川家」の剛さんは弟の礼二さんに一緒に電車に乗ってもらっていたそうです。それだけでずいぶん楽になるもんなんですよね。)

 

僕が行ったクリニックの先生によれば、

 

「最初は電車に乗れなくても、ホームまで行けたことで満足としましょう。必ず乗らなければいけないという思いがまだプレッシャーになっているうちは無理はしない方がいい。あくまで少し乗れるようになってからにしましょう。」

 

という事だったので「まずは電車のホームに立つ」とを目標にしました。それだけでも大分気は楽です。あと他に

 

「もしやはり電車に乗れなくて改札をもどるときのために、駅員さんに事情を先に説明しておくといいでしょう。忘れ物でごまかすことはできますが何度も同じ手は使えませんからね。

最近はパニック障害の人も多いし、そもそも電車内で体調悪くなったりする人もいるので駅員さんはそういうことに慣れてます。心配せず思い切って伝えてしまった方がいいですよ。ダメなら駅を変えればいい話です」

 

とも言われました。少し恥ずかしかったですが小さい駅で駅員さんも中に一人くらいしかいなかったので思い切って自分がパニック障害であること、電車に乗るためのリハビリをしていること、何度も戻ってくるかもしれないことなど、思い切って全部話してみました。

駅員さんは普通にわかってくれました。これでまた肩の荷が一つ降りた気がしました。こうやって周りに理解してくれる人がいるだけで充分気持ちが落ち着くものです。

 

さあこれで、私を拒むものは何もなくなりました(笑)

 

意を決し、決戦場である駅のホームへ。この頃になるとやはり緊張感が高まりさっきまでの眠気もどこへやら。まさに交感神経フル稼働という具合に心臓が高鳴ります。気を紛らわす道具(雑誌、音楽など)はある。そして自分を奮い立たせる&リラックスさせる呪文(笑)を紙に書いて暗唱。

 

 

  • 大丈夫だ、俺ならできる
  • 今までだってできていた。なんてことはない。
  • もし何かあったって死にやしない。
  • 恥をかいたところで今日会う人は今日しか会わない。
  • 乗れた時点で自分を褒めてやれ。お前はよくやった、と。

 

 

そうこうしてるうちに電車がやってきます。もう薬を飲んだことなど忘れるくらい緊張感がピークに達した私は、それでもカウンセラーさんに言われたように薬の束を片手で握りしめ、これさえあれば大丈夫、これさえあれば大丈夫」と心で強く念じ、湧き上がってくる恐怖心を必死で押さえていました。

 

電車がホームに滑り込みドアが開きます。ほとんどお客さんが乗っていない状態で、「今しかない!」と思った私は清水の舞台から飛び降りる覚悟で電車に乗り込みました。

今度は発車間際に乗り込むのではなく十分時間に余裕を持って。それでも逃げることなく心の中で呪文を唱え続け耐え忍びました。

 

次の駅に着いて小さくガッツポーズ。そして「今日はここまで」と、カレンダーに〇をつけミッション達成の記念としました。その後も時間を見つけては同じことを繰り返し、とりあえず「各駅電車」は何とか普通に乗れるまでには回復しました。

 

とはいえ乗る時間帯や電車の込み具合、乗車時間によっては難しい時もあり、その気は無理せず降りて様子御見ることに。そうやって無理のない状態でのリハビリを続けました。

こういうリハビリは根気が大事です。今日やって明日よくなるものではありません。

 

「電車に乗る=怖い」という、間違って作られた神経回路をだんだんと消していく作業です。何度も何度も繰り返し、「怖がらなくても大丈夫なんだ」という事を心と体に覚えさせるのです。

数か月や数年かかる人もいます。しかし繰り返していけば必ず良くはなっていくので、焦らず「継続」することが肝要です。

私もある区間の路線を、終点まで行きそこから戻るというリハビリを数か月行いました。

 

各駅電車に乗れるようになれば今度は「急行電車」です。
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今度は電車に乗っても数分間は開かない、逃げ場のない空間です。それでもある程度自信をつけていた私は、路線の中でも短い区間を走る急行電車を選び、以前と同じように呪文を唱えながら乗車。

今度は乗っている時間が長いためその間をやり過ごす「道具」が肝心となってきます。僕は今まで読んだ中でも「好きな本」を何冊か持参し、それを読むことで気を紛らわしました。この時大事なのは、マンガ本ではいけないという事です。

漫画だと視覚的に入ってくる情報がほとんどになります。しかしそれだけで気を紛らわすのは難しいのです。文字を目で読むかあるいはマスクをして、周りに迷惑かからないように小声で声に出して読むという行為が必要になってくるのです。

興味のない本では気を紛らわす前につまらなくなってしまうので「好きな本」を持っていく方がいいのです。

 

こうやって、急行電車にも少しなら乗れるまでには回復しました。まだまだ長い区間走る電車はあるのですが、この時はまだ無理せず、成功体験を積み重ねることに重点を置いてのリハビリに専念しました。

 

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②エレベーターに乗る

 

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次に私が行ったリハビリはこれです。

エレベーターというのも、パニック障害患者にとって「倒すべき難関」の一つです(笑)。

 

特にあの狭さ。そして外が全く見えない圧迫感。閉所恐怖症じゃなくてもあまり長い間乗っていたい人はいないでしょう。

 

でも逆にそれも克服すれば自信になります。というわけでエレベーターにも一人で乗るミッション開始。

とはいえこちらもいきなり距離の長いものや人が多く乗ってくるようなエレベーターじゃ荷が重い。

なので、高架のある駅についてるエレベータを選んで挑戦することにしました。

よくありますよね。改札へ向かう階段の横なんかに備え付けてあるやつ。あれなら距離も近いし、外が見えるものもあるし、何より故障などして仮に閉じ込められてもすぐ助けが呼べる。

これでかなりハードルが下がります。

 

たださすがに駅のエレベーターだけあって大きなところだと人の出入りも激しいので誰もいない瞬間を見計らうのは大変です(笑)。

なんとか人のいないスキに乗り込んでもあとから乗り込まれてしまう可能性もあります。さすがにあの狭いエレベーター内で二人で相乗りはまだ無理です。

なので、一番いいタイミングを計るのはなかなか苦労しました(笑)。

 

それでも電車に乗るときのように呪文を唱えながらこちらもとりあえず上下往復くらいはできるように。

そうなると次の段階としてデパートなどのエレベーターに乗るという難易度の高いミッションへの挑戦になります。ただホントに大きいデパートのエレベーターは無理なので、ホームセンターなどにあるそんなに人の出入りの多くないエレベーターを探して練習するようにしてました。

 

まずはひとつ上の階に行けるように。

次は一階飛び越えてふたつ上の階へ。

それができたらそこから地下まで一気に降りる練習。

 

そのホームセンターは屋上込みで地下一階から四階までありましたので、最終的には一番下から一番上、そこからまた一番下と段階を踏んで徐々に慣らしていきました。

時には別のお客が乗り込んできたりして大変でしたが、呪文を唱えつつやり過ごしました。

 

 

③美容院へ行く

 

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そして三つめは「美容院」です。

こちらもパニック障害患者さんにはおなじみ「行くのが困難な場所ベスト3に入るくらいの難関です。

美容師さんは何も悪くないのに、仕事が終わるまでは身動き取れない、そしてあの閉鎖的な空間・・。

実際私もカウンセリングを受ける前に市販の漢方薬を飲んで、美容師さんには何も言わずになんとか耐え抜こうとした時もありましたが、かえってそれが失敗でした。

 

髪を洗ってもらってるときに発作が起き、髪が濡れてる状態なのに外へ飛び出しそうになったくらいです。おかげで電車以外にダメな場所が増えてしまいました。

 

その後同じ美容院へ行く時はもう思い切って打ち明けました。元から知ってる人だったので以前から打ち明けようとは思ってたんですがやはりその時はまだ怖かったんですね。

しかし少しでも状態が改善してる今は、むしろ「言ってしまおう」という気持ちの方が強くなり打ち明けることに躊躇はありませんでした。

美容院でも特に問題なく、むしろ自分の体験談を最初から話すことで髪を切ってる間の世間話のいい材料になりました。

 

 

まとめ

 

こんな風に徐々に段階を踏んでリハビリを続け、(もちろんカウンセリングを受けながら)認知行動療法を続けた結果、まだ薬は手放せませんがそれでも以前に比べたら格段に行動範囲が広まりました。

それでもここまで来るのに一年ほどかかっています。薬はもう毎日飲むほどではないですが髪を切りに行く時や歯医者の定期健診などの前にはやはり飲んでいます。

完治してるとは言えません。

 

ただ私はまだましな方です。重い人だと数年、数十年パニック症状と戦ってる人もいるし、そこからうつ病などを併発して仕事にも行けない人もいます。

しかし今まで書いたように、パニック障害はあくまで「脳神経の誤作動」であって他の病気のようにウイルスが侵入してるとか、ほっとくと体の機能が悪化するような類の病気ではありません。根気よくリハビリしていけば完治あるいはそれに近いような状態まで持っていくことは可能です。

今も症状で苦しんでる人、一緒に頑張りましょう。私のこの記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

そして周りの理解が最も重要です。実際なった人でなければわからないとは思いますがわからなくても「そういうもんなんだ」と思ってあげるだけでずいぶん患者さんの気は休まります。

くれぐれも「甘えているだけだろう」とか「怠けているだけだ」などとよく知らないのに決めつけてはいけません。

 

パニック障害は今や「誰でもなる可能性のある」病気の一つです。

そしてある意味では「現代人のコミュニケーション不足」が生んだ弊害と言えるかもしれません。

相互理解を深め、お互いをもっと許しあえる世の中になればこんな病気はなくなるのかもしれませんね。

 

長々とお付き合い有難うございました。
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