前回まで
何とか自力で治そうといろんな手を使ってリハビリを行いました。
パニック障害奮闘記第四話 それでも自力で治そうと無駄な努力を続ける私・・その結果は !
しかし、少しはよくなったかと思えばある時はダメだったり一長一短ですぐにいい結果は出ませんでした。それでもそろそろ遠方にも仕事に行ける状態にしないと懐具合が心配になって私は意を決してネットで調べた心療内科「メンタルクリニック」なる所へ行く決心をしました。
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はじめてのメンタルクリニック その雰囲気は?
心の病気で病院に通うことに関しては いまだに少し偏見を持ってる人も多いと思います。
何より僕自身がそうでしたから。
「精神科?って‥少しおかしな人が行くところ?」
もちろんそんなことはありません。
ここで、精神的な問題で引き起こされる病気を治療する機関とその種類について解説します。
心の病で受診する専門機関の種類
心療内科(メンタルクリニック)
ストレスやトラウマなどからくる身体的な疾患(頭痛、吐き気、めまいなど)を、心と体の両方から治療にあたる医療機関。
精神科
こころの病気全般の治療にあたる医療機関(依存症、統合失調症 うつ病など)
神経科
脳・脊髄・神経・筋肉の異常によって起こる様々な疾患に対して治療を行う医療機関
脳血管障害 パーキンソン病 筋ジストロフィーなど。
ただ心療内科と精神科には実際には明確な線引きはなく、ほとんど同じ扱いになっています。
というかやはり「精神科」という言葉のイメージで悪く捉えられがちな部分もあり、「心療内科」あるいは「メンタルクリニック」と称することで敷居を低くしている向きもあります。
まずは自宅から近いかどうかです。
だいたいHPを持っているので下調べをするのがいいでしょう。そこに外観の写真や診療室の様子なども乗っているので、好みに合う所を選ぶ。
できるなら実際その場所へ行って下見するのも手です。やはり敷居を低くするためか、今はどんなメンタルクリニックもかなりオシャレな作りになっています。美容室か喫茶店のようです。
後は口コミなどがあれば参考にするのもいいでしょう。
ほとんどの所が「予約制」です。大体一時間、話をしっかり聞いてカウンセリングするので飛び込みはまずありません。しかしどうしても飛び込みで観てもらいたい時は直接電話をしてみることです。
そこで頼むか、無理なら予約のいらないところを紹介してくれる場合もあります。
まずは予約電話
いくつかのクリニックを検討したところ 自宅から近い所のクリニックがあったため下見に行くことにしました。
駅近くでなかなかにぎわっていましたが、目指すクリニックは化粧品屋さんの2階にあって割と静かな雰囲気を醸し出していました。
2階というのも大事なポイントかもしれません。
やはりそういうクリニックに入ること自体が、初心者にとってはストレスになるからです。
階段を上がっていく時点でだれにも見られる心配はなく、かつ外観もオシャレで、「ここにしよう」と決めました。
さっそく静かな場所を見つけて電話をかけてみることに。
もうその時点ですでに心臓は高なっていたのですが「病院に行けば何とかなる」との思いも強く(というかもはやそれしかない)、意を決して恐る恐る電話をしてみました。
受付の方は女性で、とても柔らかな感じで応対してくれました。おかげで少しは安心し、予約日時を決め来院日を待ちます。
ちなみに、もし今からカウンセリングを受けようか悩んでる方がいたら、予約をした時点で自分の現在の状況、症状などくわしく書面に書いておくといいです。
診察を受ける前に「問診表」を書くのですが、その場で思いつかなかったり、診察で緊張して言いたいことが言えない場合があります。自分の現在の状態を知らせ、スムースに診察してもらうにはその方がいいです。
一度下見はしたとはいえやはり実際に行くのは少し勇気がいります。しかし時間が決まってるというのはある意味メリットでもあります。
電車に乗る時もそうですが、「どうしてもしなければならない」という用事がない限り、逃げ道があることがかえって治癒を遅らせている部分もあるのかなと‥いやもちろん無理はよくないですが、どこかで「乗れなくても構わない」という甘えに似たところがあったのは否めません。
しかし時間が決まってれば逃げることはできません。自分にも「ここで逃げちゃダメだ」とどっかのセリフに出てきそうな歯の浮く言葉を唱えながら勇気を振り絞って病院内へ。
クリニックの中は「ホントにここ病院?」と疑いたくなるくらい「オシャレな空間」でした。静かな中に落ち着くBGMが流され、とにかく「患者にリラックスしてもらおう」という雰囲気が全体的に感じられます。予約制だけあって患者は私以外には若い女性一人しかいませんでした。
受付も女性、花がたくさん飾ってあるオシャレな空間という、少々場違いな気分を味わいながらも、名前を伝え待合室のゆったりしたソファに腰を下ろします。その後問診票を渡され、自分の現在の症状などを書き込みます。
問診票の質問内容は以下の数点。
- 今現在の症状はどうか。
- その症状になったのはいつからか。
- その時から現時点での症状の変化はどれくらいか。
- どういう経緯でこのクリニックを知ったか
- これまでに心療内科を受診した経験はあるか。
あとは質問事項にチェックを入れる形式での質問です。
よく眠れるか、過去に薬の副作用による弊害、アレルギーなどはないか、あと「イライラしやすいか」など性格的な質問も。
書き終えて静かなBGMを聴きながら柔らかなムードに包まれながら待っていると、名前が呼ばれ診察室へ。
小さな個室に机といすが置いてあります。机を挟んだ向こう側に、ニコニコした顔の院長先生が。
マンツーマンでのカウンセリングの始まりです。
カウンセリングは終始和やかな雰囲気で進められました。
何より、自分一人で抱え込んでた荷物を 「一人で抱え込まなくていい」とわからせてくれただけでもありがたい。
きちんと話を聞いてくれる人で良かったです。
診察の結果、私の病状は「広場恐怖によるパニック障害」と診断されました。
一つ一つの症状に対して細かく説明してくれて「今後どうすればいいか」のアドバイスももらいました。
とにかく「安定剤」を指示通りに服用し、日常生活が普通に送れるようになってから改めて「認知療法」(認知行動療法)を行いましょう」というお話。
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人は何か物事が起こった時、それがどういうことなのかを頭の中で判断し、受け止めます。「認知」とは物事の捉え方、考え方の事です。
例えばただ単に「雨が降っている」状態でも
「雨が降って気持ち悪い、不快だ」」と感じる人もいれば
「雨が降って気持ちいい」と感じる人もいます。
それだけならまだしも、特にうつ病の人なんかは
「雨が降るのは俺のせいだ」とか
「こんな時に雨が降るなんて俺はなんて運が悪いんだ」
などと、まるで雨が降ったのが自分の責任のように感じてしまう人がいます。
これを「認知のゆがみ」といい、それを「行動」によって矯正していく治療法を「認知行動療法」と言うのです。
要するに脳が「間違った命令」を出しているので、それは「間違いだ」と体に思い込ませるのです。
私の例でいえば
「パニック発作が出て電車に乗れなくなってしまった俺は情けない」とか
「もう一生電車に乗れない、本当にダメな人間だ」
などと思い込むという「認知のゆがみ」がありました。
それを少しずつ
「電車に乗れないのは俺のせいじゃない」
「電車に乗れないのは悪い事ではない」
と、今まで持っていた「当たり前の認知」を取り戻すのです。最終的には「電車に乗っても怖くない」という「正しい認知」を取り戻すことが目的です。
もちろん一人ではできません。カウンセラーさんに相談のうえ、薬を服用しながらの治療になります。
パニック障害、不安障害などに効く薬にも様々なものがあります。
- 抗不安薬 精神安定剤
- 抗うつ薬
- 睡眠導入剤
これらを医師の処方の元正しく服用し、少しずつ治療していくのです。
最後にカウンセラーさんがおっしゃいました。
決して無理をしてはいけません。ですが、最終的にあなたの病気を治すのは「あなた自身」です。私はアドバイスをするだけ。気持ちをしっかり持って。「パニック障害」は必ず治ります。強い気持ちで治療に臨んでください。
こうして私の初めての「メンタルクリニック体験」は終わりました。正直言うと、最初はかなりビビってたんですけど結論としてはやはり「行ってよかった」ですね。
自分の病気もわかったしどうすればいいのかもわかって、今まで何か得体のしれない雲の中にいたのが、晴れてはいないけど光明が差したというか、どっちに向かえばいいのかがわかって、気持ちがかなり前向きになりました。
もしこれを読んでクリニックに行くことを悩んでいる方、あるいは今は大丈夫な人でも、何かあればすぐカウンセラーさんに見てもらうことをお薦めします。
もちろん一か所に決める必要はありません。私は幸い最初のカウンセラーさんが合う人だったので良かったですが、こういうものにも「相性」があります。少しでも疑問を感じたら病院を変えることも大事です。
ここは自分の体が中心、ワガママ患者で行きましょう。
ちなみに診察代はカウンセリング内容やお薬によって違いはありますが大体2500円~5000円です(薬代込み)。最後に次の診察の予約もできますがあとで予約してもOKです。
私も一応様子を見てから改めて予約することにしました。
「パニック障害奮闘記」 最終話 いまだ道半ば。しかし必ず回復はします。諦めずに続けよう。へつづく
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