仕事でも自分の漫画でも!覚えておくと超便利! 髪のツヤベタ 描き方

ベタ1 漫画テクニック講座 アナログ編

今回はキャラの髪の毛をベタ塗りする際に光の当たる部分を白く残すことで「テカリ」を表現する「ツヤベタ」と呼ばれる作業についてです。

基本を覚えて応用が利くようになれば自分の漫画でも現場作業でも使え、キャラの見栄えもグンと良くなるのでぜひマスターしましょう。

 

 

髪のツヤベタ 基本

 

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まず、使う道具ですがアナログの場合は当然「筆ペン」を使って描きます。市販されている筆ペンでも種類はたくさんあるのでいろんなものを実際使ってみて自分に合うもの、使いやすいものを見つけましょう。仕事場で使う場合は現場に用意されているものがあると思いますが、それが合うとは限らないので他の道具と同じように使い慣れているものを持参するなどして対応します。

個人的に自分がよく使ってたのは「ゼブラの筆ペン」の「軟筆」ってやつですね。ゼブラもいろいろ筆ペン出してますが他のは合わなかった。

 

 

カートリッジ式のとか使ってみたけどダメでしたね。筆を紙に置いた時の「しなり」というか「反動」が強すぎても弱すぎてもダメ。

たかが「筆ペン」されど「筆ペン」です。

まあもちろんなんでも使えればそれに越したことはないんですが、慣れないもの、使いにくいものをいつまでも使ってるより「これ」というヤツを早く見つけた方がいいと思います。(とか言ってると突然「生産中止」とか言い出すメーカーもあるので注意が必要ですが。一時期修正液の「ミスノン」が製造中止になるとか噂が立って、買い占めてた作家さんがいましたね‥。漫画でしか使わなそうな道具はデジタルの普及により結構売り上げ的にも打撃なんじゃないかな‥と余計な心配)

 

さて ツヤベタ描き方のコツですが 基本は図Ⓐのように筆ペンをゆっくり紙の上に置き、だんだんと線を太くして最後はまたスッと抜く。図Ⓐ

 

図Ⓐ

ベタ

 

その線を重ねながら増やしていって、その間の白い部分が白ツヤとなることで髪の「テカリ」を表現します。図Ⓑ

 

図Ⓑ

ベタ1
ここで「命」となるのがこの白い部分の「抜け具合」です。ここをしっかり綺麗に抜くことでツヤが出ますので、しっかり最後まで気を抜かずきれいに仕上げましょう。慣れてない人や下手な人は、何本も何本も線を重ねることに飽きてしまい、途中がぐちゃぐちゃになったり太くなったりするのでここは根気が必要です。単調な作業で嫌にもなったりしますが何とか集中を切らさないで描く訓練をしましょう。

慣れてきたら、細かく短い線のブロック、太く長い線のブロックなどを交互に描き分けることでメリハリをつけます。あと上下のギザギザの幅などを大きくすると同じ線の繰り返しよりも、より「テカリ感」が出ます。図Ⓒ。

 

図Ⓒ

ベタ2

 

男性キャラ編

 

では実際にキャラにベタを入れていきましょう。

まずツヤベタを入れたい箇所にこのようにアタリを入れます図Ⓓ。見本では光が真上からきている設定ですが、光源がどこにあるかをきちんと踏まえた上でアタリを入れましょう。

 

 

図Ⓓ

ベタ10光の当たってる方は当然白い部分が多めになります。

 

 

図Ⓔ

ベタ3

顔の丸みの縦横を考えながら入れていきます。図Ⓔ

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一口にツヤベタといっても今は様々なバリエーションがあります。作品の雰囲気もベタの入れ方でずいぶん変わってきます。

 

図Ⓕ

ベタ4髪の立体感を表現したツヤベタ 図Ⓕ

 


図Ⓖベタ6

光と影のコントラストを強調したツヤベタ 図Ⓖ

 

 

図Ⓗ
ベタ7

ファンタジー系漫画の主人公にありがちなツヤベタ  毛先の跳ね具合が特徴的 ベタ線の抜け具合が大事です。勢い良く、かつ丁寧に。抜け部分が汚いとただのボサボサ頭に見えてしまいます。図Ⓗ

 

 

図Ⓘ
beta

慣れないうちはこのくらい少ないテカリでも十分だと思います。  このタイプは、塗り残すのではなくベタを入れた後「上からホワイトを入れる」方が楽です。ここから白い部分を増やして調節する感じです。 図Ⓘ

 

 

図Ⓙ
beta2わかりやすいのでこういうのも。毛先の流れに合わせてベタ線を入れることが大事

 

ポイント 髪の生え方を意識しながら髪を描く

 

もう少しフサフサの髪の表現に行きましょうか。

 

そのためには、基本的な毛の生え方や流れについて知っておく必要があります。

髪がどういう風に生えてるのかわからなければいくらツヤベタの技術力が上がってもそれっぽく見えないからです。

初心者の方で、たまにこういう髪の描き方をしてしまう人がいます。

 

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ke3

 

ke2

当然ですが髪の毛はつむじだけから生えてるわけじゃなく頭全体から生えています。

 

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それを意識しながら、髪のフサフサ感をペンで表現したりもできます。

 

 

ke6

髪の描き方についてはもう少し詳しく別の記事で書いているので参考にしてください。

 

ツヤベタを入れる時も同様です。髪の流れを意識しながらモコモコした感じを出します。

ke7

 

メリハリで見せる表現方法もあります。

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ホワイト部分を多めにする方法も。

ke9

 

 

女性キャラ編

 

続いて女性キャラです。

女性キャラは当たり前ですが男性キャラより髪が長い場合が多いので、ツヤベタも少し難しい部分があります。しかし基本を押さえて慣れれば応用も効くので頑張ってマスターしましょう。

女性キャラのツヤベタの基本はやはり女性特有の髪の細さや柔らかさを表現できるかどうかです。ツヤの白い部分を細くすることで髪の細さを表現します。そしてロングヘアだと必然的に一本一本ストロークが長くなるので綺麗な線を引くのは練習がいります。図Ⓚ

 

図Ⓚ
ベタ8

 

腰まであるようなロングヘアだと毛先の流れや物の上に乗っかって曲がってる部分をツヤで表現します。図Ⓛ
図Ⓛ
ベタ9

 

毛の流れを意識し、ストロークの長いところや短いところなどメリハリをつけて描く。図ⓜ

図ⓜ

tuya5

 

アニメに出てくるキャラの様にこんな具合にするのもアリですね。図ⓝ

図ⓝtuya4

 

ストロークの長いツヤベタができるようになると少し大人っぽいキャラも描けるようになります。

一気に描くのが無理な場合は最初にアタリでツヤを入れる場所を決め、とりあえずベタを入れた後で「はみだし」などを調整する方法もあります。図O

図O

tuya6

以上、基本的なことですがツヤベタについてでした。いずれの場合もとにかく練習あるのみです。最初は難しくても練習すれば必ずできるようになります。あとは上で書いたようにとにかく途中で面倒くさくならないこと。ゆっくりでいいから丁寧に描くことを心掛け、その気持ちを持続させること。

コツがわかればスムースに短時間で描くこともできます。頑張ってください。

 

別記事でツヤベタの入れ方「制服編」も書いてますのでよろしければそちらもどうぞ。

 

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コメント

  1. あきら より:

    はじめまして。いつもブログ楽しみにしてます。質問ですが、ベタを塗る時はみ出してしまうことがよくあるのですが、はみ出さないように塗るコツとかあるのでしょうか。

    • hiro より:

      あきらさん、コメントありがとうございます。
      ご質問の答えですが、「練習あるのみです。」(笑)なんて言っちゃったら話進まないですね。
      そうですねー。やっぱり髪の主線が細いと塗りにくいので最初から髪は太い線で引くとか、いきなり筆で塗ると塗りにくいので筆じゃなくてペンでフチを塗るとかされるといいかもしれません。
      頑張ってください。また質問なりご意見なりいただければありがたいです!

      • あきら より:

        お返事ありがとうございます❗
        やってみます。
        これからも更新楽しみにしています❗

  2. つばき より:

    僕は男性で今現在女性のツヤベタに挑戦しているんですが予想以上に難しいです
    男性が女性を描いているから当たり前ですが
    やっぱりとにかく練習あるのみなんですね
    ただエンジェリックレイヤーのヒカルはほぼ真ベタでそれで大ヒットしましたからツヤベタ描けなければダメって訳じゃ無いとは思いますがやっぱりツヤベタ出来る様になった方が表現広がるし
    あんはぴはやっぱり描いている人が女性でやっぱり女性特有の細くて繊細なタッチが出来て凄く可愛くて綺麗だし
    色々語ってしまいましたがサイトの内容を参考にさせていただきます