波乱の一日目が終わり・・修羅場の二日目へ 漫画アシスタント体験記 第7話

asist1 漫画アシスタント体験記

 

アシスタント二日目

 

二日目の朝を迎え、私は神経が高ぶっていたのか目覚ましに頼ることなく、誰よりも早く目が覚めました。

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見慣れない景色にしばらく自分がどこにいるのかわかりませんでしたが、すぐに理解し昨日の失態を思い出して「ああ・・」と朝からため息(笑。

しばらく虚ろな時間を過ごしてましたが、しばらくすると他のアシスタントさんたちもぞろぞろ起き出してきました。挨拶もそこそこに布団を片付けて仕事場へ。

まだ作家さんは寝ているようでしたが皆さん無言のまま席に着き、すぐ昨日の続きの仕事を始める人もいれば、しばらく持参のお茶などを飲んで頭が起きるのを待ってるような人もいました。

 

この時私が与えられていた仕事は、 「枠線引き」  (笑。 どうやら(こいつにはしばらく背景はムリ)という判断をされていたらしく、はっきり言ってなんの技術もいらない仕事を任されていました。

とはいえ、角をしっかりとか線を均一にとかいろいろ指示をされ、それでなくても自信をなくしてた私はただの線を引くのでも相当緊張していました。

 

そうこうしてるうちに作家さんも起床。それから全員で朝食を摂りに近くの喫茶店へ。自分は何食べたかなあ・・とにかく昨日の疲れと緊張した雰囲気に飲まれて、何を食べたかも覚えていません。

そう、緊張感が走ってたんです。朝食を取るだけというのに(笑。起きてすぐだったせいもあるんでしょうが、全員が、全くの「無言」。喫茶店の人も気味悪かったんじゃないかなあ。五人もの人間が同じテーブルにいて一言も話さないんだから(笑。 それともここの連中はいつものことと思われてたのかな。

私はそれ以前の仕事が結構肉体労働で、みんなで食事と言ったらしゃべりまくる連中ばかりだったため、そのあまりの違いに唖然としてました。まあ私自身あまりうるさく喋る方ではないので静かなのは別にいいんですがそれにしても全くの無言て(笑)。

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もちろんあくまでここがそうだっただけで、実際うるさい職場もありましたから全部の仕事場がこうではないと今ではわかりますが、当時はマンガ家の仕事場はみんなこうなのかと不安になってましたよ.

仕事が慣れずに厳しいのは覚悟してましたがそれ以外でもこうだとさすがにキツいなと。

かと言って入って二日目の使えないド新人が率先してしゃべるのも変だと思い、その場は雰囲気に合わせて黙ってました。いやあ今思い返してもあの時間は辛かった。ただでさえ客のいない早朝の喫茶店で、コーヒーを飲む音が店内に響き渡ってましたもん(笑。

でもそれでも、ひとつアドバイスするなら、そういう雰囲気であったとしても新人はもう少し積極的に質問したり話しかけたほうがいいですね。あまり図々しいのも良くないけど、ある程度の神経の図太さは必要です。

この時の私はもう完全に自信喪失状態で、何事にもビビりまくってましたから。もう少し自分からコミュニケーション測ればよかったかなと後悔してます。

作家さんが答えてくれるかは疑問ですが、他のアシさんは相手もしてくれたでしょうし、そうすればもう少ししいろいろ助けてもらえたかもしれません。

この時の経験があるので、自分が先輩の立場になった時はこちらから率先して話しかけるようにしてました。聞きたくても勇気が出ない新人さんの気持ちがよくわかるからです。そういう意味では、いい経験でした(笑。

 

さて、そんなこんなで正直「苦痛」でしかない朝食時間が終わり、再び仕事場へ。

ここから先は原稿が仕上がるまでノンストップ。まだまだ白い原稿を見つめながら、一体この先何が待ってるのか・・不安だらけでしたが、それでもとにかく迷惑だけはかけないようにしようと、自分なりに気合いを入れ直してました。

波乱のアシ生活二日目、スタートです(笑。

つづく

(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)

帰りたい、早く帰りたい、それだけでした・・。 アシスタント体験記 第8話

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