個性豊かな連中に囲まれ日々猛特訓! 漫画アシスタント体験記 第17話

asis4 漫画アシスタント体験記

 

この仕事場でのアシスタントの先輩方、そして作家さんを軽く紹介

 

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作家さん 以下UさんUさんは当時30代半ばの方ですがデビューが早く、既にベテランの域といっていいくらいのキャリアの男性。学園モノ中心の少年漫画畑の方ですが様々なジャンルの漫画を手がけ、作画クオリティーも高いと評判の方でした。私も単行本を買うほどではなかったにしろ、名前も漫画も知っていました。

そこそこ有名な方です。オタク気質(なんだそれ)はフツーです。

チーフアシさん 以下Mさん。Mさんは作家さんより少し年下ですがほとんど変わらず、しかも長い付き合いなのか作家さんに対してもバンバンツッコミを入れる方。元連載作家さんで「開店休業中」と笑って話してました。この方が前に話したミリタリーオタクの人で オタク度100%の人。こう書くと「そもそも何を持ってオタクというのべきかー」などと始まります。内心(そういうトコだよ!)と思ったりしてました。

とにかく理屈好き。討論好き。一番おしゃべりでもありました。作家さんも半ば諦めてるようで少しは付き合ったりしますが、そのうち嫌になってほっとくとひとりでもしゃべり続けます。ハタから見てる分には面白い人(笑)。

私を迎えに来た若い男性。以下Yくん。ここが初めてのアシスタント先ながら初めから既に即戦力。「彼なしでは仕事できない」と作家さんに言わせるくらいのハイテクニックの持ち主。性格は非常に温厚で年上ながら何もできない私に対してであっても手とり足とり教えてくれました。

まだ初回の時はいなかった私と同世代のアシ。以下Kくん。KくんはまたMさんとは違ったタイプのおしゃべり。明るくていわゆるムードメーカータイプ。彼とは年が同じこともあり、なおかつ彼の社交的な性格もあってよく気が合い、いろんな話をしました。

以上がこの仕事場での仲間たち。私にとっては初めて出来た「マンガ仲間」といったところでした。なにせ今までの人生は自分が漫画家を目指してるなんて周りには一切言わなかったので(言ったところで周りに漫画に興味を持ってる友達はいなかった)、漫画について語れる相手が全くと言っていいほどいなかったのです。

とにもかくにも初めてのアシスタントで失敗した分を取り戻すべく、この愉快な連中とのアシ生活に今まで以上に気合を入れて取り組む決意をしていました。

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みんなはできるからいいけどさ・・

 

そうやってはじまった2箇所目のアシスタント。何回か前の記事で書いたように、基本線の練習をしたあと作家さんから「じゃあそろそろ原稿にペン入れてもらおうか」との指示。

与えられたのは作家さんのペンが入ったコマの、キャラの後ろに流線(いわゆるスピード線)を引く、というもの。以前の仕事場ではキャラの入る前かそもそもキャラのいないコマへのペン入れだったので、プロの作家さんのキャラの入ったコマに自分のペンを入れるのはほぼ初めて。何しろ前のところではそれ以前に見切りをつけられ、キャラ周りの処理は作家さんが怖がって回してくれませんでしたから・・(笑)。

渡された時の私のあまりに緊張した顔にみんなが揃って「リラックスリラックス!」「そんな緊張するようなコマじゃないよ」といい、必死で私を和ませようとギャグのかましあいをしてくれたのには笑いました。同時に感謝もしましたがこの時の私は(みんなはできるからいいけどさ・・)と少しヤサグレ加減。

とりあえず、やってみなけりゃ始まらない。線の練習は家でもここでもしっかりやってきた。緊張はしつつも自信を持って取り組もうと決意だけはしっかり持っていました。

 

つづく

(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)

よく鍛えられ、よく叱られた でもおかげで少しずつ・・ 漫画アシスタント体験記 第18話

 

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