帰りたい、早く帰りたい、それだけでした・・。漫画アシスタント体験記 第8話

asis2 漫画アシスタント体験記

 

 

アシ二日目

 

前日に手痛い失敗をしてしまい沈んだ気分で朝を迎えましたが それでも「今日はしっかりやろう」という気合が入っていたのも事実です。 重苦しい雰囲気の中 早速席に着く私。

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マンガ家の泊まり仕事。 やり方は仕事場によってそれぞれです。朝食をみんなで取るところもあれば各自で済ませるところもあります。開始時間は決まってますがもちろんそれより早く始めるところも。作家さんが始めてればみんなも始める感じ(笑。

各自で入り時間が違う場合もあります。前の日遅くまでやった人は開始時間も遅いとかいろいろ。

ただ多くのところでは、挨拶もそこそこに寝ぼけまなこで席に着き、おもむろに仕事を始める、というのがデフォではないでしょうか(笑。

前回も書いたとおり、最初の失敗で完全に信頼をなくしていた私に与えられた仕事は、枠線引き 消しゴムかけ 簡単なホワイト修正 そしてコピー取り。

まあいわゆる、雑用です。

 

それでもたかが雑用と、バカにしてはいけません。結構慎重にやらないと失敗します。

枠線引き 線が均一、均等になるように、角が丸くならずにきちんと交差するように。

ホワイト修正 用途によって使用する修正液が違います。

 ミスノン ホワイトを入れた後からでもペンで上書きするのに便利。多くのアナログ作家さんにとってなくてはならないもの。ただしベタを修正することはできない。

コミックスーパーホワイト デリーターホワイト など、トーンメーカーが出している修正液。ベタまでしっかり修正できる。 しかし上書きはできない。

どちらもマンガ、文具コーナーや通販で手に入ります。

消しゴムかけ たかがゴムかけ、されどゴムかけ。 アナログ現場で初心者がやらされる基本中の基本ですが、ナメてはいけません。私もこれは何度も注意されました。

特にペンと重なってるシャーペンの線って見にくいからつい見落としてしまう。そして「消し方」も大事。普通にノートの線を消す要領でゴシゴシやってはダメですよ。押し出すときはいいけど、引いて消すときに原稿ごと引いてしまい、グシャグシャになる危険性があります。

消す時は必ず一方向へ。原稿の端をもう片方の手で押さえゆっくりと。 その際、ペンが必ず乾いてることを確認してからにしてください。 乾かないうちに消しゴムかけたらどうなるか・・説明しなくてもわかりますよね。

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カスは手や口で払わず専用の羽ぼうきを使う。口で拭いて唾が飛ぶこともありますからね。

そんなことまで言わなくてもわかってるよ!と思われるかもしれません仕事が遅れ気味になってたり締め切り間際で焦ってる時ついつい忘れたりするものです。私も今まで、大きな被害になるほどのミスはやってないけど、危ないところだったことはあります。

(それはお前だからだ)ですって? ムキーッ!   ・・そうかもしれませんね。(^_^;)

まあそれでも注意するに越したことはないし知っておいて損はないです。大惨事になってからは遅いので、日頃から家で練習するのもいいでしょう。

ああ、テク講座みたくなってしまった。 とにかくその日の私はただひたすら雑用係と化していました。それでもコピーの取り方が下手だったり時間かかったりして、何かと小言を言われ続けていたのですが(笑。

それでも他のアシスタントさんらとは普通に世間話をするくらいには慣れ、まだまだ力不足ではあるけれど小さいコマくらいならやらせてもらい、なんとかOKが出るようにはなっていました。(まああまり技術のいらないコマばかりでしたけど(笑。)

そうしてるうち、やってきました二つ目の難関、 トーン作業 です・・。

ただ私はこの日まで、トーンに関してはそこまで注意して考えていませんでした。大事なのはペンでの描き込み作業だけだと思ってたので・・。今までも自分でトーンは使ってたし、切って貼って削るだけだからそんな大変なことじゃないだろうと思い込んでいたのです。

それがまた大甘な考えであることにすぐ気づかされることになりました。

そのあたりはまた次の機会に・・・。

 

つづく

(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)

アシの仕事は描くだけじゃない。同じくらい技術のいる仕事 アシスタント体験記 第9話

 

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