市販されている背景描きに関する教本
現在、さまざまな種類の漫画に関する教則本が出ています。その中でも特に背景を描くときに必要な知識と習得すべきテクニックについて書かれた本がたくさんあります。できるだけ初心者向けの教本を紹介します。
超入門これなら描ける!マンガパースと背景の描き方の教科書 (マンガの教科書シリーズ)
教科書と明示してあるとおり、初心者にはありがたいパースの基礎知識と実践法が学べます。特に漫画のコマならではのパースに特化していてより実践的。
ただ写真がほぼ学校内のものばかりなのでそれ以外のものにはあまり汎用性がないかも。
マンガでわかる キラとマリアの 背景が描きたい! 部屋・家具・建物編
漫画形式で書かれており、かなりわかりやすいと思います。ただ作例に多様性がなくかつ絵が少女漫画チックであるため、完成図も割とアッサリしたタッチのもので、画風やテクニックの参考にはならないと思います。
しかしパースの知識や説明はきちんと詳しく載っており、初心者向けであると思います。それ以上に特筆すべきは、ただ単に知識を教えるのでなくいかに漫画らしく描くかに特化していることですね。 漫画の背景というものは、ただ描けばいいというものではありません。
いかに「そこに存在してるように描くか」が大事で、知識を学ぶだけでは身につかないのです。その点この本は、家具なら家具の構造や大きさ、なぜそうなっているのかも書かれていて、実際に描くときにとても役に立つと思います。
パース!―マンガでわかる遠近法
外国人の漫画家?らしき人が描いた本で、すべて漫画形式で進む本。詳しく書かれているが、それがかえってややこしくしている感も。もともとパースについて基礎を知ってる人がそれ以上の知識を得るにはいいけど、初心者にはあまり向かないかも。構図も外国の漫画らしく単調。
詳しく書かれているので知識を増やすにはいいかもしれません。ただそれが実践で使えるかどうかは・・(笑)
驚く程うまくなる!漫画背景技法 グリッドで背景を描こう
背景をパースではなく、グリッドと呼ばれる格子状の図形を重ねて積み木を積む容量で形を決めていくという面白い技法です。とにかくこの本の言いたいことは、パースは確かに大事だがそれにばかり囚われていてはいい絵は描けないということ。これは私も上記したとおりで、それよりもいかに「それっぽく描くか」が大事。
ただそれはあくまで基本的な絵が描けることが大前提。全く無視をしていいというわけではないし、この本もそうは言っていません。そういう意味では全くの初心者向けということではないかもしれません。考え方やパースを勉強していて壁に当たった時など、気づかされることが多いかもしれません。
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○×式で解説 誰でもかんたん!! パースがわかる本: 空間認識力アップで漫画・イラストが上手くなる!
パースを理解する前と理解できたあとの比較があってわかりやすいのが特徴。
一概に背景といっても作風やタッチによって様々。一通りの基本を学ぶことは大事で、これらの本からはそれが習得できて便利。ただ一つだけ言えることは、これらを勉強する以前に自分自身でどこまで空間を理解できてるか、間違っているとしたらどこがどう間違っているのかが理解できるか これが問題。
まずは自分の目できちんと空間を捉え、それをアウトプットできるかどうか。理屈はわかってても、それを絵として表現するためには、やはり本人の感覚が最も大事です。
そしてこれは練習で身に付くものです。周りの物をよく観察し、どういう構造で出来ているかを調べたり、あとは自分が撮った写真などをトレースしたりして、存在感のある絵の描き方を勉強するのです。
たとえ学んだとおりに描いていても、絵としての存在感を感覚で捉えていないと、それはただの線の集合体に過ぎない。いかに「生きた背景を描けるか」これがアシスタントに最も必要なスキルなのです。
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