果たして大賞は取れるのか?アシをしながら新人賞応募!アシスタント体験記 第20話

20 漫画アシスタント体験記

失意の中の作画作業

新人賞に応募するのは実は今回が三回目。一回目は田舎にいる時、賞を受賞してそれを土産に上京しようと頑張ったけど結果音沙汰なし。

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ならばと先に上京しバイトしながら投稿も、最低の賞にもかすらず。そんな自分がいくら彼女を引き止めたいとは言えいきなり「大賞」目指すなんてんだからそりゃ周りも呆れるはずだ(笑)。

しかしアシスタント仕事も約5ヶ月が過ぎ、技術的にはまだまだとはいえ現場でいろいろ教わっていくうちに自分で言うのもなんですが割と作品として「読める」モノになったのではないかと思っていました。

まあそれまでのレベルが低すぎたと言われればそれまでですが(笑)。ここぞとばかりに覚えたばかりのテクを使いまくった覚えがあります。カケアミとかベタフラとかね。 前の作品にもあったんですがはっきり言って見れたものじゃありません。(笑)。やはり現場で教わったものは、確実に実になってるという実感がありました。

ただ、そのへんで止めておけばよかったのですが、やはり投稿作品には「インパクト」が必要だと感じた私は、まだペンを使いこなせてるとは偉そうに言えないのにラストのいわゆる「見せゴマ」的な部分に、見開きで夕日に沈む街を、俯瞰で描こうなんてことを大胆にも考えてしまったのです。

これは本当に昔からある私の「悪いクセ」です。小学校の図画工作の授業からそうでした。何かを描いたりモノを創ったりするとき、やりこなせる技術もないのに完成図だけはやたらカッコイイのを想像してしまう。自分で風呂敷を広げすぎてその風呂敷の広さに自分でやられてしまうんです。

結果中途半端なものばかりになるという、これは一生直りませんでした。簡単なところから確実にやって行けばよかったのに、なぜか「よーし、みんながびっくりするようなスゲエの作ってやる。」と思っちゃうんですね。そして後で後悔するんです。

しかも今回は「失恋」したばかりです。普通の精神状態じゃありません。どこかで「絶対大賞取って彼女を見返してやる」というせせこましい企みもありました。だから気持ちだけは高ぶってはいましたがいかんせん技術がついてきません。

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どんどん迫る締切日

 

焦れば焦るほど進まぬ作画・・ついには休みの日の作業だけでは追いつかず仕事場に原稿持ち込んでその日の作業終わりに寝る前の時間を作画に当てなければならない状況に・・。

それを見た先輩たちは私のことを「スゲエ!」 「仕事場に原稿持ち込むなんて偉い!」などはやし立て一時期はアシスタント全員が居残って自分の作品の時間に当てるというブーム?まで起きました。

そんなこんなで締切二日前というギリギリで完成させた原稿。しかしここからが長かった。

(漫画を投稿あるいは持ち込みor出品した人みなさんも経験ありませんかね。「これで完成!」と思って最後のチェックし始めると 出るわ出るわ

ミス はみ出し トーン漏れ 何度見直しても出てきますよねー。あれ何とかして欲しい。ま自分のせいなんですがね(笑) すいませんただの愚痴です。)

何度目かのチェックの後、「いーやもう!これでいい!」半ば強引に「完成」を宣言し、応募要項に書かれた注意事項(名前、年齢、受賞経験など明記)を書き込み郵便局へ。

返却用の封筒に切手を貼ってもらい同封することも忘れずに。

 

一通りの手続きを終えて郵便局を出たあとの達成感はいいですね。まだ結果は出てないけど、溜まってたものが一気に出た開放感があります(笑)。

さーあとは結果待ち。紙面に結果が出るのは約一ヶ月後ですが、受賞者にはそれ以前、大体2,3週間後には編集部から連絡があります。逆にそれがなければ誌上での結果報告を待たずとも「落選」という意味です。

勝負は約2週間後。その当時の自分の総力を結集した原稿・・果たして結果やいかに?

 

つづく

(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)

そんなもったいぶる話か?アシ仕事しながら新人賞応募!果たして結果は? アシスタント体験記 第21話

 

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