よく鍛えられ、よく叱られた でもおかげで少しずつ・・ 漫画アシスタント体験記 第18話

asis3 漫画アシスタント体験記

厳しかった でも楽しかった

私自身、アシスタント技術の基礎はここで作られたといっていいくらいたくさんのことをこの仕事場で教わったと思っています。作家さんは普段は気さくな人。ただもちろん仕事には厳しく、よく叱られました

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ある時などは朝、寝ぼけ眼で仕事についたとき(ここも基本泊まり仕事でした。家が近い人は通いでしたが私は基本二泊三日)、いきなり「一昨日言ったことが昨日の仕事で全然出来ていない!」と大カミナリを落とされたことがありました。一発で目が覚めたのは言うまでもありません(笑)。

しかしそれも考えてみると、他の人が出勤する前のことだったので、ひょっとしたらみんなの前で叱って私に恥をかかせまいと配慮してくれたのかもしれません。ただ、そのあとが大変。

どこかで書いたもしれませんが私はあまり「気持ちの切り替え」が得意でない方。叱られたあとでも、普通に会話ができる人が羨ましいくらい、あからさまに態度や顔に出てしまうんです。これは直そう直そうと思っても直せない。もう一生無理でしょう。

従って他の先輩アシさんが出勤してくる頃の私は朝からテンションガタ落ち(笑)。みなさんが繰り出すギャグに一切反応できず苦笑いを出すのが誠意いっぱい。(なにか言われたな)とみんなが容易に想像できるくらいでした。

ただまあそれでもめげずに雇い続けてくれたことには本当に感謝です。今何してんだろうなあ・・たまには連絡してみっかな(笑)

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同年代のKくんとの真夜中の語らい

 

それでもまだまだ私にとって大変な泊まり仕事の間中、唯一といっていいくらいの楽しみは、年齢が同じで明るい性格のKくんとの出会い、そして仕事が終わったあと酒を飲みながらの語り合いでした。

仕事が一段落した安堵感と、適度に酒も入って我々は毎日漫画についていろいろ語り合いました。自分の将来について、漫画界の未来について、(作家さんには言えない)仕事上の悩み、次回作の構想・・などなど。

もともと私は以前の会社では自分が漫画を描いているなんて一言も言わなかったため、そういう話は一切できずまた周りに漫画に興味ありそうな人もいなかったので「漫画について思い切り語り合える仲間が欲しいなあ・・」と常々思っていました。でも漫画自体は孤独な商売だし、周りで漫画家を目指してる連中は言ってみれば「ライバル」なのでそういう関係にはなれないのかなと思ってました。

なので、私にとっては彼がアシスタントを初めて初めて作れた「マンガ仲間」だったのです。やっぱりそういう関係の相手がいるといないとでは大違いです。延々と語りすぎて次の日に影響があるんじゃないかってくらい話し込んだ日もあります。

みなさんも、たくさん作ったほうがいいと思いますよ、そういう相手は。なんといってもモチベーションが変わってきます。やはりいくらストイックにしようと思っても人間弱いものです。専門学校などでそういう知り合いが居るのなら、ずっと大切にしたほうがいいと思います。

厳しい仕事をこなしたあとの、私にとっては本当に楽しみで有意義な時間でした。

つづく

(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)

アシスタントやりながら遠距離恋愛! 漫画をとるか彼女をとるか 漫画アシスタント体験記 第19話

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