こんにちは OYUKIHANです。
今回はクリップスタジオの基本操作「ベタの入れ方」についての解説です。
何度も書いてますが個人的に「デジタル作画」を初めて一番驚いた、そして「便利!」と感じたのが「ベタの塗りつぶし機能」です。
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今までは筆ペンでちまちま塗りつぶし、はみ出さないように気を付け、はみ出してしまったらホワイト修正と大変な手間がかかっていましたがデジタルだとクリック一発、修正も一瞬。
まさに人間をダメにしてしまいそうな楽々機能に、悪魔と契約を結んだような背徳感にさいなまれたものでした(笑)。
「塗りつぶし」のやり方 基本編
ただ、一口に塗りつぶしと言ってもやり方は様々。基本的なやり方から応用編まで一通り解説していきたいと思います。
まずは一番基本的な塗りつぶし方法。
ツールパレットの「塗りつぶしツール」を選択し塗りたいところをクリックすればそれだけで塗りつぶすことができます。
ほらね、簡単でしょ?

ちょっと待たんか―い!そんな簡単すぎるわけねーだろ!今までも簡単だ簡単だつって結局いろいろ設定だのなんだの難しいことやらせてたくせに!騙されねーぞ!

さすがに少しは学習したようね(笑)。
・・失礼しました(笑)。確かに、ただ塗りつぶすだけと言っても少し設定しなければならないことがあります。
と言ってもそんなに難しい事ではありませんし、それに一回設定しておけば後はホントにただクリックするだけで塗りつぶせますからそんなに構えなくても大丈夫です(笑)。
設定する項目は「サブツール」や「ツールプロパティ」の中にあります。(見つからない時は、メニューバーの中の『ウィンドウ』をクリックするとその中にあります。)
サブツール設定
この項目は、「どのレイヤーに塗るのか」や「塗り方」の設定項目です。
①編集レイヤーのみ参照
②他レイヤーを参照
③囲って塗る
④ 塗り残し部分に塗る
ツールプロパティ設定
「他のレイヤーを参照」をクリックして今度は「ツールプロパティ」を開きます。
ちょっとわかりにくい表現になってますが、要するに違う色の範囲までを塗りつぶしますということ。線画レイヤーの場合、白(空白)と黒(線画)とで構成されてますから、白い部分でクリックすると隣接する黒い部分までを効果範囲をみなし、塗りつぶしてくれます。
ここのチェックが外れてると範囲に関係なくページ全体が塗りつぶされます。なので一か所を塗りつぶしたい場合は必ずここにチェックを入れましょう。
②隙間閉じ
これも便利な機能です。ベタで塗りつぶす場合、塗りつぶす箇所の線がつながってなければそこだけを塗りつぶすことはできません。しかし自分ではすべて線を繋げて描いたつもりでもどこかに「漏れ」があって、繋がってない場合があるのです。
そこでこの「隙間閉じ」にチェックを入れておくと、多少線がつながってなくてもつながってるとみなして塗りつぶしてくれるのです。更に数値まで選択することができます。右に行けば行くほど閉じる数値が大きくなります。
ただこのままだと難点もあって、例えばキャラクターの髪の線など「細い領域」を塗りつぶす時にこの「隙間閉じ」を使うと、細い範囲も「隙間」と認識して、その手前で領域を閉じてしまい塗ってくれない場合があるのです。
そんな時は「サブツール詳細」の「細い領域にしみこむ」にチェックを入れます。
(サブツール詳細もメニューバーの「ウィンドウ」から出すか、ツールプロパティの下にあるスパナマークをクリックすると出てきます。)
これでちゃんと細い部分も塗ってくれるようになります。

クリスタって実に細かいところまで神経が行き届いてるなあ・・エエ子や。
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③領域拡縮
塗りたい箇所を塗りつぶす時、どこまでを塗りつぶすかの範囲(拡大・縮小)を決める項目です。
ここで数値を0にしておけば線画ピッタリに塗りつぶせます。ただ、それは主線の線画の表現色が「モノクロ」である場合だけで、アンチエイリアスがかかった線画を塗りつぶそうとしても、塗り残しがあるように見えてしますのです。

アンチエイリアスとは?
ドットとピクセルの説明の回で描きましたが、画面上に見える「線」は「格子状の枠」の中を塗りつぶすことで生成されています。
それが斜めの線になるとこのようにまるでブロックが積み重なっているような「ギザギザ」なラインになります。これを「エイリアス」と言います。
このギザギザを目立たなくすることを「アンチエイリアス」というのです。
このように白と黒の間に「グレー」という「中間色」を入れることによって色の境目を滑らかにし、ギザギザを目立たなくして違和感のない線にするわけです。
ただこの「アンチエイリアスのかかった線画」で囲まれた範囲内にベタを流し込んでも、この「中間色」のグレー部分が塗りつぶされないため逆に目立ってしまい、画面上「塗り残し」があるように見えるわけです。
それを防ぐために「領域拡縮」の数値を0以上に設定します。ただあまり大きな数字入れても今度は線画をはみ出してしまう危険性があるので、そうならないように「領域拡縮」の横にある+マークを押して「拡縮方法」という項目を出します。
そこの一番右にある「最も濃いピクセルまで拡張」にチェックを入れます。アンチエイリアスが効いた線は「真ん中あたり」が最も濃いピクセルとなるので、そこで塗り止まるというわけです。
塗りつぶしはこの他に「自動選択ツール」を使って選択範囲を取って塗りつぶすやり方もあります。
自動選択ツールをアクティブにした後、塗りつぶしたい箇所をクリックすれば選択範囲が取れます。
点線で囲ってあるのが「選択範囲」です。選択範囲が取れると下に「選択範囲ランチャー」が出てきます。この中の「右から三つ目」のツールが塗りつぶしです。
この「自動選択ツール」にも上に書いたような項目が「ツールプロパティ」にありますから、同じように設定すれば同じ効果の塗りつぶしができます。
もちろん「選択範囲ツール」で任意の選択範囲を作って塗りつぶすこともできます。
ちょっとした「小ワザ」
塗りつぶし機能についての解説はだいたいこんな感じです。
ここからはその塗りつぶしを行う時の「ちょっとした小ワザ」や、効果的な演出などの例をご紹介したいと思います。
カーソルで範囲をなぞりながら塗る
髪の毛の細かい所を塗る場合、一つ一つ空間を選んで塗るのは時間がかかります。そしてたまに「主線」にベタを流し込んでしまい線が太く見えてしまうことも。
そういう時は「ベタのなぞり塗り」を行います。これは僕が作った造語です(笑)。
下の図のように一か所ベタを塗る所に流し込んだ後、そのままペンタブを板や画面から離さずにまさしく「なぞるように」ずらしていくと、カーソルが通った場所が次々と塗られていくのです。
しかも主線に流し込むミスも起きません。
時間短縮にもなるのでぜひ活用してください。
ブラシを使って塗る
デコレーションツールの中にある「ブラシ」を使うと、また違った効果的な演出を行うこともできます。
デフォルトでついてるカケアミブラシや自作したブラシをベタ部分に使うと、黒からグラデーションのかかった カケアミの表現ができ、ベタに「表情」が出るのです。
自作ブラシの作り方はこちらで書いてますので参考までに。
まとめ
以上、クリスタを使ったベタの塗り方、基本編でした。
前述したように、最初に設定をしておけば後はホントにクリックだけで塗りたい場所にベタを塗ることができます。圧倒的な時間短縮になりますのでしっかり理解して自分の漫画に役立ててください。
ではまた。
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