サムライ8八丸伝第4話のネタバレと感想です。
八丸の父は「何か」を知ってるようです。果たして八丸はいったい何者なのか。その謎は解けるのでしょうか。
以下ネタバレです。
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サムライ8八丸伝第4話「親子ゲンカ」あらすじ
名無しと別れた後も、八丸は早太郎と空を飛び、自由を謳歌していた。
そのころ家では八丸の父に対して達磨が「八丸は何者なのか」と迫っていた。侍なら自分から先に名乗れ」と父は言い返す。
達磨は、金剛夜叉流免許皆伝、千人切りの伝説の侍だった。
父「なぜあなたほどの侍がそんな格好でこんな星に?」
達磨「正直に言うと、何もしなければココら一帯の星々は近々消滅する。
それを止める方法がある箱に7つの鍵で封印されているそうだ。その箱を開けられる鍵とは〝侍の鍵〟なのだ!それも特別な侍の…」
達磨は50年もの間その「ある箱」と「七つの鍵」を探し続けていた。その鍵の一つが「八丸」なのだという。
達磨は八丸を誘い、外の世界へ連れ出そうとしているよう。それを察した父は
「ダメだ!!八丸は外へは出させん!!」と拒む。
そこに八丸が帰ってくる。もっと他の場所へも行きたいとせがむ八丸にも父は頑として認めようとせず、ついにはケンカになってしまう。
八丸「1回でもいい…もし自由に空を飛べるなら、死んだっていいって思ったことあるか?」
父は自室で過去に思いをはせる。
虚弱体質で、外へ出たくてもそれが叶わず強がる息子を不憫に思い「移動型の生命維持ユニット」を完成させようと必死な父。そして
「いつか必ず捕まえてやる」と恐ろしい顔ですごむ謎の人物。
父「どうしたらいい‥」
「言い過ぎたかなー・・親だから心配するよなー・・俺がもっと強ければ心配しないのかなー・・」と反省しきりの八丸に、
達磨は金剛夜叉流 免許皆伝の技「時間を決めて斬る」という『金剛夜叉流 黙斬り』を見せる。
達磨「その地面の刀傷よりこちら側に来れば金剛夜叉流を叩き込んでやる。
だが、そこにいるままなら父と共におだやかに暮らせ」
そう言われた八丸は・・・
4話を読んだ感想
今回はあまり話が進行しませんでしたね。謎が謎を呼び、さらに深まった感じです。このあたりは長期連載が確約された人気作家の特権ですかね。しかしそのために少し中途半端な印象を受けてしまったことは否めません。
少しここでその「謎」を整理してみたいと思います。
謎1
達磨の言う「何もしなければここら一体の星々は近々消滅する」とはどういう意味なのか?
一話で「夜叉様」が言っていた「奴を止め続けることが私の義」で言う所の「奴」による仕業なのでしょうか。まだその存在は明らかになっていません。
謎2
八丸と父はいったい何者なのか?
達磨から話を聞いただけで何かを察する父。
「不道明王様の御導き」によって引き合わされた達磨と八丸。
いったい八丸はどんな力を秘めているのでしょうか。
謎3
父の回想の中に出てきた人物の正体は?
恐ろしい表情で「いつか必ず捕まえてやる」とすごんでいます。この人物は夜叉様の言う「奴」と何か関係があるのでしょうか。何やら「銀河の平和を乱す悪者」というより「個人的な恨み」を持っているように感じますが・・。
そして「移動式生命維持装置」を完成させようと必死だったはずの父が八丸を外へ出すのをあんなにも必死で拒む理由は何でしょう。
これは私の想像ですが、ひょっとしたら八丸を外へ出られない虚弱体質にしたのは実は父ではないのかなと・・。
八丸の力の凄さを知り、「奴」から息子を守るため真の姿が見えないよう、外へ出られない体にしたのではないかなと‥
あくまで私のトンデモ想像です(笑)。
他にも『侍』と「SF」をミックスさせた作品の通り『侍=サイボーグ』的な設定、この話で言う「パンドラの箱」とは何なのか‥「七つの鍵」とは何を指すのか。とにかく謎がてんこ盛りです。一度読んだだけでは理解しにくい上にこう謎だらけでは「ちょっと読みづらい」という印象を持つ読者がいるのも仕方ないとこでしょう。
せめて八丸についての謎くらいは早く見せてほしいと思う所です。
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期待をし過ぎたのか意外に不評?
さて、「ナルト」の作者岸本斉史さん原作、四年半ぶりの連載と鳴り物入りでスタートした「サムライ8」ですが、意外に読者の反応はシビアですね💦。
最初の方は賛否両論的な感じでしたが最近は「否」の方が増えてきている感じです。
岸本さんの作品、しかもメディアなどでさんざん宣伝をして読者の期待感を煽りに煽った分、読者が「そこまで満足できるものでない」という判断をしてしまうとかえって失望感が増してしまう。そういう現象に陥ってる感覚です。
正直言うと、私自身もここまでの感想で言えば「微妙・・」という感じですね。
ではなぜそこまでこの漫画にのめりこめないのか、少し私なりに原因を考えてみたいと思います。別にディスるわけでなくあくまで私見であり、何とかこれから面白くなってほしいという「願望」を込めてですのでご了承ください。
楽しんで読んでいる方はここで読むのをやめてもらってかまいません。
サムライ8が意外に不評な理由についての個人的考察
①主人公の夢や目的に共感ができない
虚弱体質で、生命維持装置がなければ3分と生きていられなかった八丸は、「強い侍」になるのが夢でした。達磨との出会いにより『侍』へと覚醒した八丸はこれから達磨と「修行の旅」に出るようです。
やはり一番はここですかねー。八丸の目的ははっきりしてます。「強い侍になること」これはいいでしょう。とにかく主人公の目的がはっきりしてないと話になりません。
が、ここで問題なのは「強い侍になりたい」という欲望がどれだけ読者の共感を得ることができるのか?という点です。「サッカー選手になりたい」とか「好きなあの子を守りたい」とか、読者にとっても身近な、そして共感できる目的ならともかく、今の読者、特に少年読者が『侍』に対してどこまで興味を持っているのかは少し疑問です。
まだ「強い剣士」ならわかる気もするのですが、『侍』は少し範囲が広くてあいまいな気がします。
なら「海賊王」はどうなんだと言われそうですが(笑)、まだ海賊に関しては、広い海原を渡り歩くという「夢とロマン」があるような気もします。まあ実際の海賊はただの犯罪者で、ロマンもへったくれもありませんが(笑)。
このあたりはやはり「海外向け」を意識したのかもしれませんね。日本人より海外の人の方が『侍』好きですからね。海外の人の反応も観てみたいものです。
あとやはり前にも書きましたが「あっさり強くなってしまった」という部分も、物足りなさを感じてしまう部分かもしれません。
強いなら強いで最初からべらぼうに強い「ワンパンマン」のような展開ならいいですが
最初の設定は「超虚弱体質」ですからね。私個人としてはとてもいい設定だと思っていたので、1話であっさりなくなってしまったことが残念でなりません。
しかも主人公の夢が「強い侍になる」ことでしたので、浪人侍やブタ三兄弟を一撃でやっつけるあたり「すでに叶ってるやん」となってしまい、感情移入が全くできなくなってしまっています。このあたりも、読者が「どこにフォーカスしていいのかわからない」と困惑する原因となってるのかもしれません。
「強い主人公」に対する読者の感情移入の仕方には二つのパターンがあります。
ひとつは「自分ではない、強いヒーロー」の、強さに対する憧れ。
ウルトラマンや仮面ライダーなど、強いヒーローが現れて危機を救ってくれる。自分にはできない夢を叶えてくれる人に対する畏敬の念。これをうまく活用する方法です。形は違いますが「ドラえもん」なんかもそうだと思います。
もう一つは「主人公が読者自身を投影」しているパターン。等身大で、できればどこか「さえない奴」の方がウケます。イジメられっ子がイジメっ子に逆襲したり、モテない男が学園一の美人と付き合ったり。自分にはできない夢を主人公が叶えることで読者自身が疑似体験できるタイプです。
この二つで言えば「サムライ8」は後者でしょう。だからこそその「強くなる過程」をじっくり描いてほしかった」という私個人の感想があります。
百歩譲って「アッサリ強くなる」のはいいとしても、その強さをどう活用するのか。今のとこイジメてくる相手もいないし、好きな女の子もいない。まあこのあたりは今後の展開に期待するしかありませんね。
②差し迫った危機感が感じられない
4話になっても、まだ「敵」の存在がはっきりしません。
「銀河を守ることが侍の義、奴を止め続けることが私の義」
壮大な煽り文句はありますがはっきりとした存在を感じられるものは出てこず。
作品世界に読者をのめりこませる方法として王道なのは、
「主人公が夢を叶えるタイプの物語」と、「主人公が動かざるを得ない物語」があります。
サムライ8の場合、どちらの要素もあるようなのですが、どちらの要素もまだ正直「中途半端」な印象があります。
上に書いたように『夢はすでに叶ってる』気がするし「守るべき銀河」に、差し迫った危機感が感じられない。
強大な敵によって街が破壊されたり、大事な人が犠牲になったり、そこから脱する方法を主人公が模索する・・そういうものに読者はワクワクします。SFモノに「異星人の襲来から地球を守る」が多く、ヒットしたのもそういう心理からだし、最近の作品で言えばまさに「進撃の巨人」がそうですね。
今の危機的状況をどう打開するか‥その方法がスリリングであればあるほど、人はのめり込みます。
しかしサムライ8の場合、今の段階では言葉で煽っているだけで実害があるようには見えません。「あくまでこれからに備えて」という事なのでしょう。次回からはどうやら達磨師匠による「強い侍になるための修行」が始まるようです。
とにかく今現在は「設定」と「主人公が動かざるを得ない状況を作る」ことをとことん掘り下げることにページを使っている印象です。
将棋で言えば勝負の前に「駒を盤に並べている」状況ですかね。
飛車角、そして王様、全てがそろって「さあ勝負」となるまで、あまり簡単に判断はできないようです。
③岸本氏作画ではない
今さら言っても仕方ないことですが、これもけっこうなマイナス材料になってる気がします。考えたら当然です。「ナルト」ファンや「岸本ファン」は「岸本さんの絵」が好きなので、いくら上手い人が描いても「別人である」という事実は動きません。
音楽の世界でもそうだと思います。
日本でも海外でも大人気の「ONE OK ROCK」ですが、やはりボーカルのTAKAさんあっての事。さらに言えばTAKAさんが「歌ってナンボ」です。
いくら作詞作曲がTAKAさんであっても歌うのが「別人」なら、その人がどんなに歌の上手い人でもワンオクのファンは「TAKAの声で聴きたかった・・」と思うでしょう。
ネットでの評価を見ても「岸本さんが描けばいいのに」という声をよく目にします。
もちろん作画担当の大久保さんは頑張ってると思いますし、絵柄に関しては個人の好みもあるので一概には言えないかもしれませんがね。
まとめ
いろいろ言いましたが、まだ最初なのでやはりすべての状況が見えてからでないと判断はできません。今後の展開を期待しながら見守っていきたいと思っています。
あと必要なのは魅力的な「ヒロイン」の存在ですかね。
別に出てくるのか、あるいは前回出て来て「ケーキ入刀」を行った「名無し」がヒロイン化するのか・・・それでも「あのまま」では難しいと思うので覚醒していきなり「超絶美少女」になったりして(笑)
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