紙と電子書籍 マンガの未来を考える

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今日は個人的な意見をつらつらと述べます。

これから自分が気づいたことや感想を書いていく、こういうのもやっていこうかと。もちろん漫画のニュース中心ですが。

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電子の漫画販売が紙超える

出版科学研究所は26日、2017年の電子書籍の漫画単行本の推定販売金額が1711億円となり、紙の漫画を初めて上回ったと発表した。

一般社団法人共同通信社

 

電子書籍自体の歴史は結構古く といっても1990年に入ってソニーから出たData Discman(データ・ディスクマン)が世界初の電子書籍と言われてます。が、8cmのCD-ROMを使った電子辞書がメインであり、さしたるブームになることもなくCD-ROMなどの衰退もあって人知れず消えて行きました。

その後本格的な電子書籍ブームといえば2007年にアメリカで発売されたkindle、2010年のipadなど端末の販売。これにより一気に世界的に広がっていきました。日本では携帯電話の普及とともに漫画を中心としたデジタルコンテンツが広がりを見せ、その後ipad、スマホの発売などで誰にでも気軽に読めるものとして発展してきました。

それでも紙で読む気軽さに勝てるのか、個人的には疑問でしたがついに電子書籍の売り上げが紙を上回ったということで、本格的な電子書籍元年といってもいいのではないでしょうか。

ただ、とは言っても従来のコミックの売り上げが落ちたのは長期連載が終了したり、目立ったヒット作がなかったりしたのが原因で、電子コミックの売上も完結した過去作品や、やはり「普通の本屋であまり買えない類の作品」がその多くを占めてるそうで、完全に電子コミックが紙を凌駕したとはまだ言えない状況のようです。でもいつか、漫画を紙で読んでた時代が懐かしくなるような時代が来るのでしょうか。

かつてテレビが世間に普及しだした時、新聞の存在意義が問われ、「もはや新聞の時代ではない」と言われた時期があったそうです。新聞はそのうちこの世からなくなるだろうとも。しかしご存知の通り新聞は未だ健在。その原因は「TV欄を掲載したから」が一番の理由だそうですが、私個人としてはあの「紙で読む手軽さ」と「実在感」もその一つと思っています。

考えてみれば音楽の楽しみ方もかなり変わってきました。昔のレコードからCD、ipodを経て今やダウンロード全盛。かといってでもCDがなくなったわけでもなく、レコードさえ愛好家のおかげで全く衰退したわけではありません。

私なども気に入ったものは手元に置いておきたい性分なので未だに好きなアーティストのCDは買ったりします。気に入ったジャケットデザインや写真集などがあると、もちろん目当てはその音源なのですが付属品としての価値も十分に感じるタイプなのですぐ手に取れる場所に置いておきたいのです。

漫画も同じで、やはりいくら電子書籍で読めるといっても、好きな作品は形として手元に置いておきたい。すぐそこにある「実在感」がけっこう大事。コレクターとしての血が多少なりとも疼くので、全く何もない状態というのはどうにも心もとないというのが正直なところ。

ただこれも「紙媒体」に慣れてるからそう思うだけで生まれた時からマンガといえば電子コミックという世代が現れればまた変わるかもしれませんね。あまり数が多くなりすぎると「かさばって仕方ない」という気持ちも理解できるので(笑)。

 

マンガがパソコン、スマホで読める時代の弊害?デジタル万引き、違法アップロードなど

 

なんでもそうですが、こうやってみんなが気軽に楽しめるようになるとそれを悪用してお金儲けをしよう、楽していい思いをしたいと考える奴が必ず出てきます。

 

違法アップロード

ちょっと前にも有名漫画を雑誌発売より早く手に入れ、それを動画サイトやブログに無断でアップロードした奴が逮捕されるという例もありました。電子書籍などで本屋に行かなくても手に入る状況が多くなればまたそれを悪用しようとする奴も出てくるでしょう。以前は無断アップロードだけが違法とされていましたが今は「違法な手段でアップされたものをダウンロード」することも違法とされています。

ダウンロードが違法というだけで、もちろん再生するだけでは違法とはなりません。

ただこれは確認が難しく、しかも著作権者が訴えなければ成立しない「親告罪」なので、今まで違法ダウンロードで捕まった例はありません。が、たまたま「現在」逮捕されないだけでこの先もそうとは限らず、法律が変われば逮捕になることも当然考えられます。

他にもスマホがあれば出来てしまう迷惑行為が横行し、対応に苦慮しているお店もあるそうです。

 

デジタル万引き

デジタル万引きとは、本屋などで販売されている出版物をスマホなどを使い「無断」で中身を撮影すること。ただし、万引きと言われているから違法行為かといえばそうではありません。本そのものを盗むわけではないので「窃盗罪」にはならず、逮捕されることはありません。しかし本の中の「情報」を勝手に取得するわけで、そのせいで本そのものが売れなくなる可能性もあり明らかな迷惑行為です。見つかれば出入り禁止になったり「不法侵入」などで訴えられたりするかもしれません。

ただこちらもこれからどうなるかはわかりません。違法ダウンロードと同じく、法律が変わる可能性も十分考えられます。

しかもそれで得た情報をブログやSNSなどで拡散すれば「著作権違反」になり、これは完全に「違法行為」です。

 

しかしここまで「マンガ」と「デジタル」が切っても切れない関係になるとは思っていませんでした。考えたら私自身もずっとパソコンでマンガを描きアシ生活を続けてきたわけで、アナログだけのままならとっくに仕事を変えていなければならないほどデジタルに依存しています。

それはこれからも変わらないでしょう。デジタル「以外」に中心になる媒体が出てくれば別ですがそれはもはやドラえもんの世界でしょうかね(笑)。

読むのもそうですが、作る方もデジタルになってアナログ時代とはやり方がまるで違ってきました。そのうち商業マンガやアニメが一人で作れる時代が来るのでしょうか。この先どうなるかは誰にも分かりませんが、ページをめくるワクワク感、素朴さ、手軽さは失わずにいてほしいです。

できれば死ぬまでマンガと付き合い、楽しみ続けていたいですからね。

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