週刊雑誌界のサザエさん?ビッグコミック創刊50周年 復刻版同時発売!

ゴルゴ2 所見

大御所たちによる鉄壁の布陣で50年!

 

小学館から発行されている長寿青年漫画雑誌(笑)「ビッグコミック」が今年の2月29日でなんと創刊50周年を迎え、その記念として2月24日発売号には創刊号の復刻版が付いた2冊パック版が発売されました。

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ビッグコミックが創刊されたのは1967年の2月29日。「子どもが読むもの」として、漫画そのものの地位が今ほど高くなかった(今でもそんな高くはありませんが)昭和42年に、大人の鑑賞に耐えうるものをという明確な意思のもと創刊された雑誌。

当時既に大御所と言われていたベテラン、有名作家たちを連載陣に迎え、以後、時代の流行に流されることなく独自の路線を突き進んで半世紀。

今や書店の漫画雑誌コーナーに行けばだいたい目に付く、気が付くとそこにあるまるでサザエさんのような国民的雑誌←言い過ぎ?に成長しました。

小学館発行にも関わらずここまで子供を無視した漫画雑誌もすごいなと思いますが、屋台骨がしっかりしてるのとやはり大御所たちの重厚な作品群によって、その目的のとおり大人になった今でもたまにですが読んだりもします。

なんといっても「ゴルゴ13」の存在は大きいですね。ネタ切れしてもシナリオを読者から募集するという荒技を使ったりしながらも、連載当初から今まで、一度も休載することなく続けているのはやはりすごいです。しかもさいとう・たかを大先生御年81歳!いまだ現役です。

以前情熱大陸だったか 爆問だったか忘れましたがドキュメントで密着取材してる動画見ましたがいつまでも精力的でお元気そうでしたね。

ペンは使わず全てミリペンやマジックで描いてるとか、現場での仕事ぶりも見せていました。タバコでミスノンを乾かすなんて「いかにも」なことやってました。それはさすがにと思いましたけど(笑)

 

新人作家にとっては高い壁?

 

しかしこのビッグコミック系列の雑誌、新人漫画家、そしてこれから連載を狙おうという候補生側から見るとこれほど敷居の高い雑誌はありませんね。

そもそも新人賞を募集していないところもある。せいぜい「ビッグコミックスピリッツ」くらいでしょうか。しかしそこも連載陣の層が厚く、新人を使おうという考え自体があまりないようです(あくまで私個人の印象です。)

私も過去に一度だけ持ち込みにスピリッツ編集部におじゃましたことはありますが、まあどこの編集部も新人の「よそ者」感は半端ないですがスピリッツは更にでしたね(これもあくまで個人の印象)。

今でも言われてるかどうかは知りませんが昔 小学館の新人の使わなさを皮肉った言い回しで「講談社が育てて小学館が使う」なんて、まことしやかに言われていたことがありました。

つまり小学館は新人を育てるより、他で育った作家を引き抜いて使うやり方を取っているということです。私はそんな風に思ってませんよ!あくまで憶測です。ただそう言われるのにも理由があります。

新人作家にとって掲載のチャンスがある「別冊」というものが小学館雑誌にはほとんどありません。世の中が景気悪くなってからは講談社もどんどんなくしていきましたが以前は看板の週刊誌にはだいたい「別冊」というのがあって、新人の登竜門のような存在でした。

もちろんそれだけじゃ売れないから有名な連載作家が読み切りを載せたり、その他はデビューしたての新人が月一連載したり、読み切り、あるいは新人賞取った作品を掲載したりしてました。そこで人気が取れれば本誌連載デビューのチャンスがあるわけです。いわゆる野球で言う「イースタン・ウエスタンリーグ」のようなもの。

昔の「ヤングマガジン」なんてスゴかったですよ(笑)。申し訳ないが「どこの素人連れてきたんだ」ってくらいものすごい作品を平気で載せている時期がありました。編集さんがむしろそういうのを面白がっているような。その辺の中学生に描かせたような読み切りまで、普通に載ったりしてました。今考えるとどうかとは思いますがそれくらい新人に門戸を開いていた証でもあります。

しかし今はそうも行きません。とにかく編集さん側としても「結果」が求められます。しかも短期間に。そうでなければすぐ休刊、人事異動が待っています。いきおい慎重にならざるを得ません。昔ほど「冒険」ができなくなったような気がします。

もちろん「売れてナンボ」の世界なのでその考えが悪いというわけではありませんよ。

「商業的成功」「自由な発想」

この二つの狭間で悩むのは、モノを創る商売の人たち全員がぶち当たる壁といっていいでしょうね。

とにかくその「別冊」がどんどんなくなって編集サイドが「確実に売れるもの」だけを掲載しようという姿勢になり、よっぽどすごい作品か誰かの推薦か、「なんとか賞を受賞した!」とか宣伝しやすい状況でなければ載せない時代もありました。

ただそれからしばらくたって、やはりそれでは新人が育たないと思ったのか積極的に新人を登用したり、あまり名のない作家だけでも雑誌を作ろうという冒険のようなものをする時代を経て、今があるわけです。その間もちろんいろんな雑誌が現れては消え、現れては消えて行きました。

ゲーム会社がタイアップしながら雑誌を作ったり、業界の人たちも厳しい競争社会で「生き残る」為にいろんなやり方を考え、試行錯誤しながら作るのです。

その意味で、そんな厳しい業界の中にありながら創刊50周年を迎えたビッグコミックは素晴らしい、と言えるのです。

改めて、おめでとうございます。

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