人生最大のピンチ? 漫画アシスタント体験記42話

体験記 体験記

前回の続き

ヘルプアシ作業で2日間、Sさんという作家さんのところにお世話になることになった私。

割とキャリアを積んで自分の仕事に自信を持って臨んだ仕事でしたが、Sさんの評価は意外にも低く、私の精神状態はアシスタントを始めたあの頃に戻ったように重苦しい気分に包まれていました。

しかしそれでも、技術的なことだけなら何とか適応して、満足してもらえる仕事をして見せようとまだこの時は気持ちは前向きでした。ところが・・。

 

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突然襲った○○!止まらぬ脂汗、しかし中止するわけにもいかない・・どうする?

 

仕事をし始めてどのくらいたったでしょう‥。

突然、お腹の辺りがキリキリと痛み出しました。初めは『チクッ』とする痛みだけでしたが、だんだんとおなか全体に広がり、仕事どころではなくなっていったのです。

 

「こ、ここでかあ・・・・。」

 

突如私を襲った忌まわしい敵・・それは「腹痛」でした。

(てゆーかもうネタバレしてもーてるやん)

 

実は私は、結構以前から腹痛に悩まされることがよくありました。原因はわかりませんが、ストレスかあるいは風邪をひいたときによく腹痛を起こしたりするので、私の場合は熱や頭痛ではなくおなかにウイルスが入り込む体質なのかもしれません。

Mさんの仕事場でもちょくちょくありました。あまりに長引くので病院に行ってみたんですが、またこの医者の態度が最悪で‥(笑)。いかにも「俺様」な感じ。ちょっと触診して「胃カメラ飲んでみるか?」とか横柄な態度で言われたんでこっちもムカついて、きっちり反論してやりましたよええ。

 

「ま、また今度にします。」

 

結局処方してもらった胃薬「ガスター10」で、結構あっさり治りました。何だったのか結局よくわからず・・。おなかが減っているときによく症状が出たりするので、ストレスか風邪などでの体調悪化による胃酸過多ではないかとのことでした。

以来、胃が痛くなるとすぐ「ガスター10」を買って治していました。ホントこの薬には助けられました。しかも結構即効性があって、飲むと割とすぐ効いていたので、ほぼ「常備薬」のようにカバンの中に携帯していたものです。

当時はまだ普通の薬局で買えました。今は薬剤師がいるところでないと買えません。

しかし病院へ行って市販薬を渡されるとは思いませんでしたけどね(笑)。

 

ところが、Sさんの仕事場へ来たこの時は、それまでしばらく腹痛もなかったので薬は持ってなかったんです。ましてや仕事に入ったばっかでいきなり「胃薬買いたいんで外出させてください!」という勇気もなく‥。

しばらくは我慢することにしました。少しはよくなってくれることを信じて。

だがしかし、症状は一向に改善しません。もうそうなると仕事どころではありませんね。腹痛の場合だいたいは「横」になることで緩和されたりするんですが、マンガの仕事の場合ただでさえ姿勢が、かがみこむようにおなかを圧迫する姿勢なのでたまりません。

座席に座りながら背筋を伸ばして何とか痛みを散らそうとしますが全く改善せず。脂汗がギトギト。作業もロクに手につきません。もうこうなったら奥の手です。なんとか時間を作って横になる。これしかありません。でも仕事中にそんなこと、ましてや勝手知ったる人の前ならともかく、初めて来た現場ではなかなかできません。

 

仕方がないので「トイレ」に行く時を利用します。これは実はMさんの所でもやりました。トイレの狭い空間を使って、しばらく横になるのです。背に腹は代えられません。家のトイレですから、床自体は汚れてるわけじゃないのでそこまで気にはなりませんでした。ただトイレの内側のドアに足を延ばし、便器の横で寝転がるのですから、何かの拍子で人に見られたらそれはもうみっともないことこの上ありません(笑)ですがこの時の私にはそれしかこの腹痛に耐える方法がなかったのです。

 

体験記3

 

少しでも横になればやはり症状は改善しました。しかし当然ながらトイレにそんな長い間いるわけにもいきません。ましてやそう何度も何度も仕事を抜け出してトイレに行くというのも不自然ですし・・・。

結局は、机に戻るとまたすぐにぶり返す痛みに私はもはや我慢の限界でした。

 

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買い出しを利用して外へ・・そこでまた試練が‥。

 

 

そうこうしているうちに、夕食の買い出しの時間になりました。この仕事場ではコンビニで弁当をまとめ買いすることになっていて、だれか一人がみんなの注文を聞いて買いに行くルールになっていました。

ただ誰か一人とは書きましたが、ほとんどの場合私を迎えに来た若いアシさんが行くことになっていたようでした。そこで私は、一番の新入りということもあり「私が行きます!」と立候補。

普通はこんなことはあまりしません。そもそもヘルプに来たわけですからそんなことより仕事をしてほしいはずです。しかも外出となればこのあたりに土地勘のある慣れた人の方がいいに決まってます。

いぶかしがる作家さんにしかたなく事情を話します。

 

「こういう事情なので、私に行かせてほしい。そして買い出しに行くついでに薬局に寄って胃薬を買わせてもらえないか」

軽く心配はされましたが、薬を飲めば何とかなると説明し、許可を得ました。

 

そして皆さんの注文の品をメモ書きし私はようやく外へ。胃の痛みは相変わらずありましたが、外へ出られた安心感とつかの間の自由に少しは気も晴れ、貸してもらった自転車にまたがってもうすっかり暮れた街中を、駅に向かって走り出しました。

 

駅近くのコンビニで注文の品を買い、そのあとで薬局へ行こうと計画したんですが、この判断が間違いのもとでした。

 

お弁当は何とか調達し、さあ次は薬局だと、教えられた店に行ってみると…そこには私の欲しい「ガスター10」が、なんと置いてなかったのです。

これは計算外でした。確かに小さい薬局でしたがさすがに有名な商品だから置いてるだろうとタカをくくっていました。にもかかわらず「売り切れ」とかではなく、そもそも「置いてない」とのこと。

 

もちろん他の胃薬はあります。しかし私にとってはもはや今のこの痛みを取ってくれるのは「ガスター10」しかないと思い込んでいました。他の胃薬を買ってもし効かなかったら、この先の地獄が目に見えています。

ここで作家さんに電話をし、他の店を教えてもらうことも考えましたが「他の薬があるのに何ワガママ言ってんだ」と思われるのが嫌で、何とか黙ってやり過ごせないかと考えてしまいました。なんせ駅前ですから、他に探せば薬局の一つくらい見つかるのではと思ったのです。そこで駅員さんに「このあたりでここ以外に薬局はないか」と尋ねました。

すると「この先の大きな通りに出ればあるよ」とのこと。早速言われた通りの道へ出ると、ありました!通りの向こう側、ここよりは少し大きい薬局が。最後の希望を託し長い信号に多少イラつきながら脱兎のごとくその店へ。何せもう仕事場を出てから時間も経っています。言い訳ができるギリギリの時間。

 

「今すぐ帰ればなんとかなる!」

 

はやる心を抑えつつ薬局に到着。早速胃薬コーナーへ行くと、あった!私の求めていた蒼いパッケージ、「ガスター10」の文字が。

もったいないと思いつついつもは買わない大きいサイズの方を買い、レジに向かおうとした、その時でした。

 

ガラガシャーーーーン!

 

店の外で大きな音が鳴り響き、店内の人が一斉にそちらを見ます。つられて私もそっちを見ると…

 

どっかで見たことのあるような自転車が、道路側に向かって大きく倒れ込んでいたのです。カゴの中にあった「買いたてのお弁当」を一緒にアスファルトの道路上に見事にぶちまけながら・・・・・。

 

つづく

(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)

 

ついてない時はとことんついてない・・・漫画アシスタント体験記第43話

 

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