そんなもったいぶる話か?アシ仕事しながら新人賞応募!果たして結果は? アシスタント体験記 第21話

asis 漫画アシスタント体験記

いやいやすいません。 たかだか新人賞の応募結果を2回に分けてもったいぶる必要は全くないですよね(笑)。

大賞受賞をかけて挑んだ新人漫画賞応募! 結果は・・

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はい、「奨励賞」です。

 

どのくらいの賞かって?大体の新人賞はランクがほぼ決まってて 一番上が「大賞」または「最優秀賞」。その次が「準大賞」とか「優秀賞」。その次が「入選」、その次が「佳作」。奨励賞はその次・・くらいかな。その下は「努力賞」とかそんなものです。

奨励賞」 ・・業績を評価し、今後の活躍への期待や激励を込めて授与 される賞。

まあいわゆる下から二番目、ブービー賞みたいなもの?そんなこと言っちゃ他の方に失礼かな。でも事実です。

とはいえ私自身初めての受賞で、それなりに嬉しかったのを覚えています。小さかったですが実際市販されている紙面に自分の名前と作品が載った(といってもタイトルページが小さく、名前付きで載っただけです。作品が掲載されたわけではありません。)のですから。この時の喜びはどんな大作家様でも同じだと思います。

そして、新人賞には受賞した人だけが出られる「授賞式」というものが催されます。ささやかなものから大きな会場を借り切ってやるものまで様々です。

やはり冠になっている作家さんの名前でその大きさが分けられてたりします。超有名な作家さんの名前で募集している賞ともなればやはり規模がでかいです。

ま、今回私が応募したのは隔週雑誌の月例賞という小さめの賞ではあったのですが出版社は大手も大手。しかも私にとって初受賞となったわけなのでそれなりに緊張感とほんの少しの晴れがましさを持って当日出版社の方へ出かけました。

 

続々やってくる受賞者

 

当然ですが私の他にも受賞者がいて、その人たちも同じようにやってくるわけです。

なんというか・・あの空気は独特ですね。やはり受賞した賞が大きい人はまた態度に自信がみなぎってるように見えます。

そして、この時はなかったのですが雑誌によっては受賞者の作品が一冊の本に収められた作品集が作られる場合もあります。私もほんの数回ありますが、自分の漫画が写植も入った雑誌形式になって、「おお漫画っぽい!」と妙に嬉しかった思い出があります。

授賞式は大手の場合はその出版社の一室を借りきってやる場合が多いです。前述したように冠に有名作家様の名前がある賞には、その先生からのお言葉もあり、チャンスがあればお話することもできます。(今もyou tubeに過去の手塚賞、赤塚賞授賞式で、手塚先生と談笑する若かりし頃の荒木飛呂彦さんの姿が見れますね。まさにあんな感じ。)

小さい出版社だと近くのレストランとかカフェとかになります。それでも授賞式となればどんな賞でもどんな場所でも晴れがましく、嬉しいもんです。

作家様のお言葉、編集長の総評などがあった後、賞状授与式、そして記念撮影。だいたいみんな表情が硬く、カメラマンさんに「みんなもっと笑ってー」と言われるまでがデフォです(笑)。

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有名作家様との歓談

 

そのあと、パーティー会場みたいなところに移り、それぞれ会食しながらの歓談。その時に作家先生もパーティーに加わってたりすると、直接お話するチャンスもあります。私も何度目かの授賞式で、あの「ちばてつや」大大大先生にお会いして、少しお話させてもらった時はそりゃーもう嬉しかったですよ。

あと弘兼憲史さんの時は、優秀賞クラスの受賞者は一人一人弘兼さんの前に行き、作品に対して軽くコメントいただくというシステムもありました。

そしてこれは出版社によりますが、受賞者、それも上位者かな?にほ食事の前に受賞者が一人一人前に出て受賞の感想コメントを求められる場合があります。私が最初やらされたときは聞いてなくてぶっつけ本番、カミカミで最低のコメになりました(笑)。

もし受賞される機会があれば事前に考えておくことをおすすめします。

簡単なのでいいです。分からなければ「この度はこのような賞をいただき光栄です。これからもいい作品ができるよう努力します。」とかなんとか言っておけばいいです(笑)。

時には会場に、出版社へたまたま立ち寄った作家さんが現れることもあり、ある時は藤子A先生こと安孫子素雄さんが黒鉄ヒロシさんとともにゴルフ帰りにフラッと現れ、特設サイン会みたいな感じになったことがありました。

面白かったのが、それまで新人に対して完全上から目線で威厳を見せつけていた編集長が、A先生が現れたとたんまるで太鼓持ち芸人のようにA先生に平身低頭、お酒を注ぐやら料理を持ってくるやら、揉み手揉み手で甲斐甲斐しくお世話をしてたのを見て、「売れるってこういうことなんだなあ・・」と、当たり前ですが「有名作家の威厳」をまざまざと見せつけられた気がしました。

私もA先生にサイン描いてもらったのですが、サインの横に描いてくださったキャラが、まさかのハットリシンゾウくん(笑)(笑)。知ってます?忍者ハットリ君の弟、シンゾウ君です。私も思わず(なぜ?)と心の中でつぶやいていました。もちろんこちらからは何も頼んでません。まあ一番描きやすかったのか、喪黒福造とか描くのがめんどくさかったのか、未だに謎ですが、天下の藤子A先生直筆のキャラ付きサインの入った我が受賞作品集、いまだに宝物ですよ。

 

はじめは乗り気じゃなかったものの、結局は「行って良かった」かなって感じです。とにかくこの商売、作家にでもならなければ横のつながりはほとんど皆無、マンガ友達なんて作りたくてもロクに作れません。

そこにライバルとはいえ同じ志を持った同世代の人たちと一堂に会するのは実に刺激になります。パーティーのあとは、受賞によって付いた担当さんと早速次作の打ち合わせを開始したり、受賞者同士で歓談、二次会などへ行ったり。様々です。

妙に晴れがましくそして、さらにいい作品を描くことへの情熱を再確認できます。みなさんも機会があれば是非。

 

つづく

(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)

仕事にも慣れ、少しづつ楽しくなった頃に!・・やはり厳しい世界です。 アシスタント体験記 第22話

 

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