こうならないように注意!アシスタントをする「デメリット」 その2

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前回の記事です。

こうなったらまずい?あえて言う アシスタントをする「デメリット」
スポンサーリンク // 自作漫画の制作時間が減る この章からは、アシスタントをする上での「デメリット」について書きたいと思います。 アシスタント仕事というのは、仕事場にもよるけれど一...

 

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 小さくまとまる

 

それまではなんの規制もなく自由な発想、自由な描き方で描いてたものがアシスタント生活を続けプロとしての仕事に慣れてくると、「ここまではいい」「これ以上はダメ」みたいな、おかしな「枠」のようなものが体感的に分かってきます。

作業効率にいい場合もあるけれど、これが自分の作品を描くときにその「発想力」まで自分で規制をかけてしまいある意味小さくまとまった作品になってしまうこともよくあることです。

仲間同士の話し合いや編集さんとの打ち合わせで、「こうした方がウケる」「これをやったらダメ」みたいにあまりにいろんな情報を仕入れすぎて頭でっかちになると、それまでのノビノビした発想ができなくなるのです。

もちろんプロとしてやっていく以上、「自分が描きたいものだけ描く」というわけにはいきません。ある程度他人の意見も受け入れあくまで自分が面白いものではなく他人が見て面白いものを描くのがプロ。ワガママばかり言えません。

しかしかといって、描きたくないものばかり描くのでは何のためにやってるのかわからなくなる。そのあたりのジレンマや葛藤は誰もが経験するものです。

「荒削りで破綻してるけど面白い」という新人ならではの面白さが、仕事に慣れるうちに、失われてしまう可能性があります。

もっともこれはアシをやらなくても、編集さんとの打ち合わせでいろいろいじられすぎてそうなる場合もあるので、アシスタント仕事のせいばかりとは言えませんけどね。

 

意識して”忘れる時間”を作る

 

発想力に関しては、仕事しながらでもいろんな漫画を読み、漫画だけじゃなく映画を見たり、本を読んだり。もちろんどこかへ出かけたり。とにかく好奇心を持ち続けて、いろんな経験を積むことが重要です。

つまり意識的に「自分がアシスタントであること」を忘れるのです。

アシスタントをやってると、その生活にどっぷり浸かりすぎて行動範囲が狭められてしまうことがよくあります。そうならないように自分で休みの日には無理にでも時間を見つけていろんな場所へ足を運んで、とにかく感性を磨くことを忘れないようにしないとダメです。

パソコンの前に座ってばかりじゃダメですよ(笑)。

 

技術におけるデメリット

 

次は、技術的なデメリットについてです。

タッチのつけ方、効果線の入れ方、パースのつけ方など、アシ仕事においては覚えなければいけないことがたくさんあります。特にデジタル作業を多用してる作家さんはその一つ一つに順番ややり方があり、それを覚えるだけでも一苦労です。冊子にして、マニュアルとしてアシスタント全員に渡しているところもあります。)、それを仕事上必要であればモノにすることは大事ですが、それが逆に自作を描く上では足かせになることがあります。

作業を効率的に進めるやり方だけならまだしも、説明が難しいのですが自分の作品がいわゆるアシスタントらしいマンガ になってしまう危険性があるのです。

もちろんある程度の画力は求められるのでどんな下手でもいいというわけではないけれど、画面を見ていても妙にこなれた没個性な絵、になってしまいがちです。

もちろん個性的であればいいか、といえばそうでもないし、いわゆる 流行りの絵柄、売れる絵柄なんてものもあったりしてそれなりに合わせなきゃいけなかったり、かと言って合わせすぎても個性がないし・・。という難しい問題もあります。

ただ私の知り合いのアシ経験者が編集部に自作を持ち込みした際、「いかにもアシスタントが描いた漫画だね」と、言われたそうです。

これは本当に屈辱的なセリフですよ。

要するに、「小手先の技術が上手なだけの漫画」という意味です。みなさんも、見たことありませんか?やたら背景はうまいけど、さほど面白くない新人の漫画(笑)。たまーに、絵も話も面白い人がいますが、そんなのは本当に希です。

長年のアシ生活で染み付いた「手癖」が、自作にも染み出てしまうんですね。(開き直って師匠ソックリの漫画を描く元アシスタント新人作家なんてのもいるけれど。)

 

アシスタントをする上でのデメリットといえば、こんなとこくらいですかね。どんな仕事にもメリットデメリットはあるので、結局は自分の考え次第という身も蓋もない結論になるのだけれど、メリットをできるだけ多く吸収し、デメリットを出来るだけ減らすというある意味したたかな計画性も、必要なスキルと言えるのかもしれないですね。

とにかく気をつけなければならないのは、よほどしっかり計画性を持って生活しなければ、自分の原稿は全く描けないまま、アシスタントのための生活に慣れてしまって無意味に時間だけが過ぎていく・・なんていう、恐ろしいことになってしまいます。長居をしても決していいことがないのも、この仕事の特性?だと思っています。

仕事自体ははもちろん一生懸命覚えるとしても、プライベートの時間は「一日でも早くアシ生活から抜け出すんだ」位の強い気持ちを持つことが重要だと私は思いますね。

 

 

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