漫画家、イラストレーターのテレワーク メリットとデメリットについて。効率良く作業する秘訣とは?

tere 所見

こんにちは、OYUKIHANです。

今日は久しぶりにつらつらと思ったことを述べます。

例のウィルスがいまだ収束の兆しが見えず、外出自粛やイベントの中止など、我々の生活スタイルもいろいろ変化を求められていますね。

特に社会人にとってはいわゆる「テレワーク」と呼ばれるワークスタイルがにわかに注目されてきました。

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テレワークとは

テレワークの「テレ」とは「離れた場所」という意味です

 

ワイはテレフォンのテレだから電話でやる仕事かと思ったわ。

 

でもその「テレ」と意味は同じよ。テレフォンも「離れた人を結ぶ道具」だからね。あと「テレパシー」も同じ。

なのでテレワークとはその「離れた場所」とwork「働く」をあわせた言葉ということになります。

いわゆるICT( Information and Communication Technology)を活用した,時間や場所にとらわれない柔軟で多様な働き方のことですね。

テレワークには大きく3種類あり、従業員の自宅で仕事を行う「在宅勤務」、取引先のオフィスや移動途中の駅、カフェなどで仕事を行う「モバイルワーク」、そして専門の事業者が提供するサテライトオフィスやレンタルオフィス、自社で整備した専用施設などで仕事を行う「サードプレイスオフィス勤務」が含まれます。(一般社団法人 日本テレワーク協会)

 

コロナ騒動がきっかけでマンガ業界にも「テレワーク」の波が?

 

漫画の仕事は昔から、基本的には作家さんの仕事場にアシスタントが集まって一つ屋根の下で作業するのが主流でした。しかしネットが普及し、パソコンで漫画が描ける時代になった今、わざわざ足を運んでスタッフが集まる必要性はなくなり「在宅ワーク」がどんどん業界にも広がっていきました。

漫画作業は「テレワーク」と言ってもビジネスマンや執筆業の方のように移動中や喫茶店の店内で仕事ができるというわけではありません。

だいたいが「自宅仕事」になります。つまり作家さんが自宅や仕事場から、こちらも自宅にいるアシスタントにネットを使って指示を出し、データをお互いに転送しあって作業するという作業形態です。

若い作家さんなどはもう連載当初からパソコンでの作業をメインにしている場合も多いです。

 

しかしそれでも、昔からアナログ作業をしているベテラン作家さんや在宅仕事の勝手がわからない作家さんなどは今までどおりアシスタントに出勤させて仕事をしていました。仕事場にパソコンがあって、そこへアシがやってきて指示を直接受けながら仕事をするなどしていました。

 

そこにこのコロナ騒動です。

漫画家の仕事場は大体が都内周辺にあります。その都内が不要不急の外出禁止。しかも職場は見事な三密状態。

もちろん仕事なので不要ではないが、それでも避けられるなら避けた方がいいと判断し、それまでの作業体制を見直して「在宅ワーク」に切り替えようという作家さんもけっこう出ました。

 

在宅ワークのメリット

 

一見楽そうに見える在宅ワークですがやはりメリットとデメリットがあります。

ここではその在宅ワーク、特にフリーランスの在宅ワークのメリットとデメリット、そしてそのデメリットを防ぐためにはどうすればいいのかを考えたいと思います。

 

発注側のメリット

 

経済的に楽

仕事を発注する側、特に漫画家さんにとってのメリットで一番に上げられるのはやはり経済面でしょう。

作業が始まればその間のアシスタントの食事、交通費など持たなければなりません。もちろん出ないところもありますが今はほとんどこれらを出さなければアシスタントに来てもらえない可能性もあります。

資金が潤沢にある人なら別ですが新人作家の初連載などは、それだけで破産寸前になる人もいます。「連載貧乏」という奴です。

出版社から将来を見込まれて支援してもらえる場合もありますがそんなのはまれ。大体貯金を切り崩しながら連載するという人が多いです。そんな状態なので、食費や交通費を出さないでいいというのは作家さんにとって大助かりです。

 

打ち合わせが楽

これは作家さんに限ったことではありませんが編集さんとの打ち合わせ、取引先との打ち合わせや会議など今は結構リモートで行う会社も増えてきました。

電話での打ち合わせは昔からやっていましたがやはり面と向かって話をしたり資料を見ながらできた方がはかどりますからね。

打ちあわせ相手に会うために会社に出かけたり、喫茶店などで待ちあわせする必要がなくなった分メリットと言えます。

 

仕事場の確保が楽

これは特に新人漫画家さんに言えることですが、連載をしてアシスタントを雇うとなると仕事場のアパートなど、部屋にもある程度の広さがないと大変でした。初めのうちは住居がそのまま仕事場になっているところが多く、人が何人も出入りすればそれだけ手狭になります。

それがアシスタントが在宅になると極端に言えば自分一人とパソコンのスペースがあれば足ります。四畳半一間のアパートでも仕事ができるので、これも経済的に結構なメリットになると思います。

 

受注側のメリット

 

次に我々仕事を受ける側、フリーランスで仕事を受注する人にとってのメリットです。

出勤の必要がない

一番のメリットでしょう。遠い場所なら一時間近くかかるようなところへ毎日通うのはやはり結構なストレスです。

しかもコロナ問題でSTAY HOMEが叫ばれてる昨今、仕事であっても満員電車に揺られて会社へ行くこと自体感染のリスクにさらされている状態です。それが避けられるだけでも十分なメリットであるし、しかもその出勤の時間を在宅では自由に使えるという面で精神的に非常に楽です。

 

仕事の掛け持ちができる

会社や職場に足を運んで仕事をする場合それだけで時間と体力を取られるので休みの日などは家でぐったり、なんてこともありました。しかし在宅ワークになると仕事が終わればすぐ就寝できる気楽さがあって、その分体力も温存できます。

なのでそれまでは休みにしていた日に別の仕事を受けることもでき、仕事の掛け持ちが可能なわけです。これも経済的に不安定なフリーランスにとっては十分なメリットと言えます。

 

在宅ワークのデメリット

 

今度は在宅ワークの「デメリット」についてです。

 

気持ちの切り替えが難しい

基本家の中で仕事をする場合、プライベートとの区別がしにくくどうしても気持ちが「仕事モード」に切り替わらないことがあります。

やはり「会社に出勤する」ということはそこで「仕事モード」のスイッチが入るので、始まる前は憂鬱であっても始めてしまえばあとはすんなり・・というパターンが多いんですよね。

しかし自分の家にいるだけだとリラックス状態がずっと続くのでなかなか仕事へのスイッチが入らず、仮に仕事を始めたとしてもすぐ休憩に入ったりする場合が多くなります。。

しかもそれをとがめる上司や同僚もいないので、うっかりネットサーフィンなどををしてしまった日には、1,2時間などあっという間に過ぎていたりします。

特に納品まで日にちが開いて余裕のある時は、つい怠けてしまって仕事にならない・・なんてこと、フリーランスの人は誰もが経験することではないでしょうか。

夏休みの宿題パターンやな(笑)。

 

運動不足

これは在宅仕事に限ったことではないですがデスクワークをする人たちは総じて運動不足の人が多いです。

それでも毎日の出勤で歩いたり走ったりするとそれだけでも結構な運動にはなるのですが、在宅はその必要がないのでホントに運動しなくなります。

そういう人がたまに外へ出かけて歩き回ったりするともう大変です。次の日筋肉痛でまともに歩けなかったりします(経験談)。

 

 

取引先とのトラブル

フリーランスで仕事をする、しかも在宅でとなれば下手をすると相手と全く顔を合わさずに仕事の契約を結ぶこともあります。それだけに、いろんなトラブル(賃金未払い、契約不履行など)に見舞われたりします。

 

孤独感に襲われる

会社勤めをしていれば同僚と世間話もできたりするかもしれませんが、自分一人部屋の中で作業をする場合はたいていが孤独です。

誰とも話をすることがない。よほどの人嫌いなら別ですが、一日中一人で部屋の中にいるとまるで世間から自分だけ取り残されたような「孤立感」を味わうことがあります。

 

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デメリットの解決方法とは?

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ではどうすればこのデメリットを解決、もしくは軽減できるのかを考えていきたいと思います。

 

在宅ワークにおける「気持ちの切り替え方」

 

これはもう人それぞれでやり方は違うと思うので、僕がやっている方法としてご紹介します。

①服を着替える

これはシンプルですが結構効果のある方法だと思います。自宅にいるとどうしても「くつろぎモード」になってしまい、その延長線上でいくら「仕事モード」に気持ちを切り替えようとしても難しいんですね。

ユニフォーム効果という言葉があります。

これは、ある特定の職業についている人が、ユニフォームを着ていた場合とそうでない場合に相手に与える印象の違いを述べた言葉です。(白衣を着たお医者さんと、Tシャツを着たお医者さん、同じお医者さんでも、なんとなく白衣を着ている人の方に安心感を覚える、というものです。)

が、もう一つの意味として「着る側の意識の変化」のことを指した言葉でもあります。

 

ユニフォームの必要性について

1 働く意識が生じ、プライベートと区別がつく
2 職業を象徴する結果、職業に対してプライドが抱ける
3 自前の衣服が汚れたり傷んだりしないため、働きやすい
4 顧客との区別がつく5 アイデンティティー、仲間意識、連帯感が持てる

公益財団法人 日本ユニフォームセンター

 

つまりユニフォームを着ることによってその仕事に従事する意識が高まり、その仕事にふさわしい行動をしようとする、と言う事です。

なので、たとえ家で作業するとしても仕事用の服とプライベートの服を分けた方がいいと思います。さすがに部屋でスーツ着る必要はありませんが、ダラダラのスウェットのままでいくら仕事しようとしてもなかなかエンジンはかかりません。

そのまま外出できるくらいの、きちんとした服装に着替えるのは「意識を変化させる」上で、まずは大事なことだと思います。

 

②生活をルーティン化する

朝起きてからすることをすべて箇条書きにして決めてしまいます。

僕の場合は朝起きてすぐ水を飲みます。軽くシャワーを浴びてそのまま風呂掃除。服を着替えて何時から何時まで朝ごはん、片付け。10分休憩して机の周りの掃除。また10分だけ休憩してベランダへ出てラジオ体操、また10分休憩して仕事開始。

このように毎日やることを決めて、それを確実に実行する。機械的に、もう何も考えず体がそう勝手に動くようになるまでルーティン化するのです。自然と仕事に入れるようになります。

そしてこの「10分休憩」、これが結構いいんですよ。学生時代からそうなっていますが、あれは誰が考えたのか実にいい長さなんです。それ以上短くても長くてもいけない。

「10分だけ休む」これを徹底すれば「仕事モード」が消えないうちにまた作業に戻れます。ついつい休憩が長くなるのを防ぐためにも、タイマーで時間を決めて無理やりに体を戻すのも効果的です。

 

ただ、お昼ご飯を食べた後などどうしても長く休憩してしまう時があります。

仕事から離れた時間が長くなればなるほど、元に戻りにくくなります。そんな時の対処法としては、戻った時にやる仕事を決めておくことです。そしてその仕事はできるだけ簡単な方がいい。

戻った時の作業が大変なのがわかってるとどうしてもおっくうになり、気持ちは焦っても体が言う事を聞かない時があります。すぐにでも完成できる簡単な仕事を用意しておけば仕事モードに戻りやすくなります。

 

このように自分の体を自分でコントロールするには、単なる精神論では思うようにいきません。

「外見が変われば意識も変わる」。ユニフォーム効果やルーティン効果を利用し、形から変えていくくことで、意識の変化を自然発生的に呼び覚ます。これが在宅ワークの「ダラダラ化」を防ぐ最も効果的なやり方だと思います。

 

③ベランダや部屋の中でもできる「その場ジョギング」のススメ

次に運動不足の解消についてですが、これはもう時間を見つけてジョギングなりをするしかありません。ただわざわざ外に出なくても、ベランダがある人は「ベランダジョギング」、部屋の中でやる「その場ジョギング」なども意外に効果あると言われています。

あとは数時間おきのストレッチ。ずっとパソコンとにらめっこの生活だと知らないうちに体がガチガチに固まっていたりします。血の巡りが悪いと変に睡魔が襲ってきたり、ストレスもたまりやすくなります。

適度に体をほぐすだけでもその後の仕事への影響が違ってくるでしょう。

 

④取引先とのトラブル対処法

ネットを介して仕事を受注する場合、相手の顔も見ずにやり取りする場合が多いです。全く見知らぬ他人と「お金」の絡んだやり取りをするわけですから当然慎重に取り組まなければなりません。

しかし残念ながらそれでも「賃金の未払い」や最初に言ってたことと違う「契約不履行」のようなトラブルも起きたりします。契約と言ってもセットで受注する場合しっかりとした契約書がある明けではなくほとんどが「口約束」です。

中には相手がフリーランスで立場が弱いのをいいことに「できるだけ安く使おう」とか下手をすると「お金を払わず逃げる」業者もたまにいます。

(名誉のために言っておくと今まで僕が取引した漫画家さんにはそんな人はいませんでした。ただイラストレーターさんの業界では稀ですがあるそうです。あと例の「クラウドワークス」などではたまにそういうトラブルがあると聞きます。もちろんクラウドワークスさんには何も問題はありません。使う人のモラルの問題です。)

大きな会社であればその会社の信用にも傷がつくのでそんな人はいませんが、個人でやってる業者、あまり聞いたことのない小さな会社などにはそういう不届き者がいることは確かです。

しかしこれに対抗すると言ってもなかなか難しいものがあります。探偵じゃあるまいし相手の素性を根掘り葉掘り調べるわけにもいきません。結局は相手とのやり取りの中で「信頼」していくしかありません。

少なくとも自分の素性や金額をしっかりと提示し、連絡がきちんと取れること。これが最低の条件です。報酬があいまいだったり、「出来栄えを見て決める」などは論外。連絡がなかなか取れないのも避けた方がよさそうです。

それでももしトラブルに巻き込まれたらしかるべきところに訴える勇気も必要。

日本司法支援センター 法テラス

 

とにかく「少しでも怪しいと思ったら止めておく」これが基本です。

ただ逆に、「見知らぬ他人」なのは発注側も同じです。なので仕事を受ける側もできるだけ誠実に。顔が見えないだけに「仕事に対する姿勢」や「信頼感」は最も重要です。上手くいけば他のクライアントも紹介してくれるかもしれません。

当たり前ですが「与えられた仕事は確実に、そして誠実にこなす」これは対面でもネットの世界でも同じです。

 

⑤孤独にはもう、耐えるしかない?(笑)

 

最後の「孤独」ですが、これはもうフリーランス、しかも個人でやってる人にとっては縁の切れないもの。ブロガーなどもそうかもしれませんね。どんなに世間が騒がしくても一人黙々と作業しなきゃならない・・もはやこの職業を選んでしまった者の宿命です(笑)。

みんななんとかして孤独を紛らわす工夫をしてるようですね。

作業中の孤独は仕方ないとして、休みの日は積極的に友達と会うとか、ネットやSNSを活用して出会いを求めるとか(いかがわしいとこじゃないよ(笑))。オフ会や習い事に参加するとか。

漫画家さんの中には、常にskypeをつないで会話をしながら作業してる人もいるそうです。

やはり大事なのは仕事以外の社会的なつながりを大事にすることですね。

 

まとめ

 

今年の三月以来、人々の生活がガラリと変わるほどの世界的な騒動になってしまいました。

いまだワクチンも見込めない状況で先が全く見えない状態が続いています。

それでも個人個人が様々にこの状況に適応しようと必死で頑張っている。

歴史的に見ても、人類は何度もこういった災厄に見舞われましたが、その都度知恵と粘りで問題を克服してきました。

今回もきっとそうなるようにひとりひとりが知恵を出し合って、力を合わせてみんなでこの苦難を乗り越えていきましょう。

 

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