違法漫画サイト「漫画村」運営者特定?「ブロッキング議論」の今後を考える

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海賊版漫画サイト「漫画村」の運営者と思われる人物を日本の弁護士が特定したことが大きな話題になっていますね。

 

海賊版サイト「漫画村」の運営者を特定か 法的措置へ

 

この問題に関しては 外国企業に対する訴訟の難しさとか専門用語がたくさん出て来て頭の悪い私にはあまり理解ができません。
しかし、漫画、そしてネットという自分とも切っても切れないものに関する話なので一生懸命勉強して私なりに意見を書いてみたいと思います。
いろいろ間違ってるかもしれませんが、一素人の意見として大目に見てください。(と最初に保険かけとく(笑))

 

「漫画村」運営者特定についての私見

 

漫画村とは?

 

インターネット上でコミックスや雑誌などが読み放題で無料公開されていた、大規模な違法海賊版サイト。2018年4月閉鎖
サイトが著作権侵害という違法行為だけでなく、表示される広告にもウイルス感染する危険性もあったらしく実際被害にあった人もいます。

 

 

 

明らかな著作権侵害であり違法行為なのですが、訴訟などは開設&運営者の特定が難しく不可能と言われてきました。

カドカワ川上量生氏、クラウドフレア社は法的措置では対応できないという見解を示す

川上氏は現在カドカワ株式会社代表取締役社長株式会社ドワンゴ取締役CTOであり、政府が設置した知的財産戦略本部のインターネット上の海賊版対策に関する検討会議「タスクフォース」の検討会議構成員です。

というより人工知能動画で宮崎駿氏にガチギレされた人の方が分かりやすいかな(笑)

 

彼は、こういった違法サイトに関しては対抗処置として「サイトブロッキング」が有効である、いやむしろそれしかないとさえ主張しています。

 

サイトブロッキングとは

 

プロバイダがインターネットユーザーの同意を得ずに、特定のURLへのアクセスを強制的に遮断する行為。

つまりサイトそのものを削除することはできないので、逆にユーザーがそのサイトを観れないようにしてしまおうということ。

しかしこれには憲法で定めた「通信の秘密」に抵触する恐れがあり、いまだに賛否が分かれています。

 

憲法第21条 ・集会、結社及び言論、出版等表現自由はこれを保障する(第1項) ・検閲禁止&通信秘密は侵してはならない(第2項)

 

 

通信の秘密とは?

 

個人間で交わされる通信(信書、通話、電子データの送受信など)が、公的機関による覗き見や傍受、盗聴、監視などから保護されること。個人間の通信について知り得た内容を第三者に提供することからの保護も含まれる。通信内容の秘密だけでなく、通信の有無や構成(通信相手、日時、場所など)の秘密を含む。

引用 IT用語辞典

 

 

つまりこのブロッキングを行う場合、すべてのユーザーがどのサイトにアクセスしようとしたのかを第三者がチェックすることになる。明らかに「プライバシーの侵害」であり、反発の声が大きいのです。

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ではサイトブロッキングは日本では一切行われていないのか?

 

しかし、実際に日本でブロッキングが行われていないかというと、実はそうではありません。

例外中の例外として(あちら)に関するサイト(気になる方はググってください ヒント:子供)には、ブロッキングが行われています。

さんざん議論を重ねても反対意見の多いブロッキングがなぜ(あちら)では許されているのでしょうか。

 

そこには、「安心ネットづくり促進協議会」の作業部会による、結論ありきで行われたようなあいまいな解釈がありました。

通常我々が行う行為の中で、憲法で禁止された行為でもそれが違法にならない条件というのがあります。それは「正当行為」「正当防衛」「緊急避難」の三つです。

 

正当行為 

法律で認められた行為。例えば相手に危害を加える行為でも、「ボクシング」や「格闘技」の試合などではそれが認められています。

 

正当防衛

第三者が自分に対して不当に暴力を振るってきた場合に反撃する権利。

 

緊急避難

自分もしくはそれ以外の人間に危険が降りかかってる場合に、やむを得ずそれを回避する行動。

あちらに対するブロッキングは、この中で特に三つ目の「緊急避難」に当てはまる行為とされています。

その「緊急避難」にも、違法でなくなるための条件があります。

 

1、今現在危機があること。

2、他に回避する方法がなく、やむを得ない状態であること。

3、生じた害が避けようとした害を超えないこと

 

三つめがややこしいですが、要するに自分が相手に与えた危害に比べて、それを避けなければ被ったはずの被害の方が大きいと判断された場合のことです。

つまり、(あちら)の場合は「通信の秘密」を侵害することによって生じる損害より、児童たちが被る被害や損害の方が大きいと判断されたためブロッキングは正当であると判断されたのです。

なかなかに個人の推量によるところが大きそうですが、それでもやはり世間的にも「児童を犯罪から守る」ことは何をおいても優先されるべきという考えが大きいので(私ももちろんそう思います)こういったサイトをブロッキングすることは正当とされています。

 

しかし こと『著作権』の場合、「通信の秘密」を侵害することによって生じる損害より大きいかと言えば、そうとは言えないという意見が大半で、結果二の足を踏んでいるというのが現状です。

 

なおかつ今回 日本の弁護士さんたちの努力により漫画村にCDN(コンテンツ配信ネットワーク)サービスを提供していたクラウドフレア社が情報を開示したことにより運営者が特定されたとの報道は、ブロッキングを正当化する要件である「他に方法がなく、やむを得ない状況である」という根拠が崩れたことにもなります。

 

そもそも「出版社サイド」は、海賊版違法サイトに対しては「あらゆる処置を行ってきたが応じてもらえなかった」と説明していたようですがそれはあくまで法的な問題以外の話で、実際は「海外事業者に法的措置をとるとなると、費用が高額になるうえ手間もかかるので現実的ではない」というのが本音だったようです。

揺らぐ「ブロッキング必須論」…注目の仮処分決定

 

つまりは実際にはロクな手続きは取ってなかったことがバレたわけです。というか訴訟を起こしてもし「勝った」としても「利」があるのはマンガ家だけで、出版社としては特に美味しくもなく、費用もかかるのでほっといたというのが本当のところの様です。悲しい‥💦

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口では漫画家と出版社は一心同体みたいに言いながら「マンガ家だけがいい思いするのは嫌、出版社がいい思い出来ないなら何もしない」と言ってるように聞こえてしまったのは私の心が汚れているせいでしょうか。

 

ともかく、普通に訴訟を起こせば勝てる可能性が出てきた以上、サイトブロッキングの必要性に陰りが出てきたことは事実です。

 

しかしこの「ブロッキング」に関してはネット業界が反対し、訴訟問題に関しては出版業界が及び腰。

何か「自分たちの利益」が損なわれることに対して過剰に反応する商売人たちの間で、もともとの権利者の一人である「漫画家さん」が翻弄されているような醜い構図が浮かび上がってきますね。

そもそも「漫画を描く」ことだけに全身全霊を傾けている漫画家さんたちは、特にこういった「権利関係」や「法律関係」に疎い方が多く、しばしばややこしい問題に巻き込まれたりします。

これは「音楽関係」にも同じことが言えますね。実際に言われたことはなくても、漫画家はマンガだけ描いてればいい、ミュージシャンは歌だけ歌ってればいいみたいな風潮、確かにあります。

しっかりした弁護士さんを雇えるだけの経済力のある人はいいですが‥。

 

ともかく、この訴訟の行方を見守りたいですね。ブロッキング議論の結末も気になるところ。

 

ちなみに「漫画村」さんの公式ツイッター、9月20を最後に更新が途絶えています(笑)。 なかなかにクズっぷりなつぶやきが続いてましたが、以降だんまりです。どうなることやら。

漫画塔(漫画村)【公式】

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