Web漫画の可能性と未来とは?本屋での漫画の売り方考察。

MBA15_gori_TP_V 所見

無料で使えるWebマンガ更新チェッカー・ピンガというサイトがあります。

3500作近いWebマンガの更新情報を確認できる便利なサイトですが、そのトップページの右上に「見逃せない!この1コマ」というコーナーがあって、話題の作品の「注目すべき一コマ」を紹介しています。

その企画が、スタートしてから一周年を迎えたそうです。

web漫画の見逃せない一コマ 「振り返り」

スポンサーリンク


 

商業誌では描けない自由な発想もWEB漫画ならOK! かくいう私も以前は‥

ネットでマンガを載せられる時代になってから、WEB漫画がどんどんその勢力を拡大してきましたね。いろんなところで無料、有料のWEB漫画が読めるようになりました。 あるいは自分でサイト作ってそこで自作の漫画を掲載したり、動画サイトで紹介したり。

以前は自分の作品を披露できる場はそれこそ商業誌で認められるか、コミケで同人誌を売るかくらいしか機会はありませんでした。今はネットがあるおかげで、たくさんの場所ができ、マンガだけでなくイラストだけでも見せ合ったりもできます。おもしろいWEB漫画はそれこそ人気が出て、実際商品として売られるようになったり、アニメや映画になったりなど、今まででは考えられない展開をするようになりました。「ワンパンマン」などがいい例ですね。

今までは自分のマンガを多くの読者に見てもらうためには、まずは商業誌に作品を持ち込みあるいは投稿し、賞を取り、そのあと担当についた編集さんとケンケンガクガク打ち合わせで格闘し、編集会議を経てデビュー、晴れて雑誌掲載というステップが必要でした。これが新人にとっては長い道のり、このステップを登り切れずあきらめる人が大半です。

なんせ一人の編集さんとの打ち合わせでもいろいろ言われ、かなりメンタル的にへこんでしまうこともあるのに、仮に担当さんOKが出ても会議にかけられてそこで落とされたり、運よく通ったとしてもその上の「デスク」と言われる編集部のリーダーやそれこそ編集長が見て、そこで文句を言われて落とされる場合もある。しかもそれが最初に担当さんに言われて直したとこだったりする。つまり初めに自分が描いたネームのほうが上の人にはウケがよかったりね。担当さんの言うとおりにしたおかげで落とされるなんてザラ。これはねえ、へこみますよ。

しかも担当さんはそれを編集長に指摘されても、編集長の前では「なあるほど、そうですね、編集長のおっしゃる通り!僕が間違ってました!」ですからね。いくらこっちが心の中で「それ俺が最初に言ってたじゃん、それを反対してごり押ししたのあんたじゃん」と思っても無駄。

いやあほんと、人間の「裏の部分」ってやつを、よく見せつけられますよ(笑)。

話がそれました(笑)。とにかく以前は、雑誌に掲載されるまでには何度も何度も高いハードルをクリアしなければいけなかった。時間と手間がかかったのです。そしてほんとにこのハードルというか厚い壁、新人にとってはとてつもなく厚い。一生超えられないんじゃないかと思われるほど厚く、そして高い壁なのです。

それが今、ネットなどで自作を披露し、それがウケればそんな手間を一切省くことができるわけです。しかも自分のサイトだと見に来る人が限定されますが、多くの作品が掲載されてるWEB漫画専門のサイトもあったりして、そこに登録するだけでたくさんの人に自分の漫画を読んでもらえる機会が増えるわけです。もちろんだからといって必ずしもすべてが「楽になった」わけでなく、数が多くなった分「弱肉強食」感が強くなったとも言えます。単純にライバルの数も増えたわけですからね。よほど面白いもの、発信力があるものでなければウケないでしょうし、実力差がはっきりするようになったという感じでしょうか。

しかし商業誌と違いある意味「タブー」があってないような世界。制約に縛られることのない自由な発想がそこにあるように見えます。

昔ある編集さんで「天才の牙を抜くのが編集の仕事」とうそぶいてた人がいましたが、やはり商業誌には「やってはいけないこと、描いてはいけないこと」がたくさんあって、それに合わせるような作品にすることが求められます。なかなか「切れ味鋭いナイフのような作品」は、掲載するのが難しい時代でもあるのです。

過去にはある作家が自分の連載作品に過激な表現を含む内容を載せたところ、「自主規制」の名のもとに出版社自ら雑誌を回収したりした騒ぎもあります。(自分もその現場を見た人間なので‥これについてはまた体験記で書こうと思ってます。)

まあある程度規制があるのは決して悪いことばかりとは言いませんがね‥なければないで見るからにメチャメチャ、話が完全に破綻してるマンガもWEB漫画にはあったりして。やはりある程度きちんと「読者の目線」で見れる人がいたほうがいいことは確かですからね。

とはいえ商業誌では描けない、おそらくは認められないだろうという自由な表現やストーリー展開もWEB漫画では認められ、それがウケる可能性だってあります。まあ一長一短、どちらがいいとは言い切れない部分がありますが、WEB漫画界は漫画を描き始めたばかりの素人さんたちの承認欲求を満たす場所には確実になっています。

かくいう自分も以前は少し描いていた時期もありますがね‥。今や完全に開店休業状態ですが(笑)。これからどんな発展を見せてくれるのか楽しみな場でもあります。いずれ技術が進むと、それこそ連載マンガを一人で描き、自分で出版するなんてことも、できるようになるかもしれませんね。それで売れたら丸儲け・・ムフフ♡

 

「一コマだけ見せる」ことの意義

 

そして上記したピンガというサイトの「見逃せない!この1コマ」というコーナーですが、と作品の中からインパクトの強い、あるいはいいセリフ、いい絵の入ってる一コマだけを選んで紹介しているんですが、このアイディアもいいですね。

常々、本屋での漫画の売られ方には「仕方ない」という思いと「もう少し何とかならないものか」という思いが自分の中でも交錯してました。もちろん商品なので破損防止のために袋詰めするのは仕方ありません(立ち読み防止効果もあります)。が、しかしそのために本の中身が全く見れず結局「好きな作品」「評判の作品」という、いわゆるお目当ての作品しか買えないという状況になっています。あとは気に入った表紙で、なんとなく「よさそう」というほとんど「ギャンブル感覚」で買うしかありません。自分の思ったのと少し違っても、買ったあとではどうしようもないのです。

もちろん、「全部見せろ」などというわがままを言うつもりはありません。「全部読みたきゃ買え」って話ですからね。相手も商売ですから当然です。しかし「本との出会い」って、表紙だけでなく中身を少しでも見て、内容や雰囲気が気に入れば知らない作品でも「面白そうだな、買ってみよう」となるのです。少なくとも私はそうです。

ですので昔から私は、たくさん巻数がある本なら、そのうちの一冊、あるいはその中の1シーンだけでも読めるような、香水やハンドクリームでいう「テスター」みたいなものがあればいいのになと思っていました。

そういう意味でもこの「見逃せないこの一コマ」というコーナーは、読者の購買意欲を促進するためにも非常にいい企画だな、と思った次第です。事実「続きを読んでみたい」と思ったコマが何個かありました。

ブッ○オフなどの古本屋では今でも立ち読みできますが新刊本だとなかなか難しいのはわかるので、この「一コマ紹介」企画、町の本屋などでもやってくんないかな~なんて思ったりします。

スポンサーリンク


コメント