前回の記事です。
裏話&情報交換
作家さんの話や、他のアシさんの話を聞くことはとても有意義なこと。業界の裏話的なこと、編集さんの性格や嗜好を知る、今この雑誌はどういうジャンルに力を入れているかなど様々なリサーチができます。
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特に編集さんのパーソナリティーを知ることはとても重要ですね。編集さんといえば、アドバイスをくれる良き理解者であると同時に必ず倒さねばならない最初の難関。敵を倒すためには敵を知る(笑)。 これはどんな勝負にも必要な要素です。
描きたいものを描くだけでは、プロにはなれません。
ある知り合いのアシスタントなどは、編集部に持ち込みに行く際にも、なるべく目立つ格好で行ったそうです。「担当編集以外の編集さんにも顔を覚えて貰うため」だそうで、それが功を奏したかどうかは不明ですが(笑) その心意気は「買い」です。
編集さんとのコミュニケーションを大事にして、救われた作家さんもいます。 私も、そんな多くはありませんが仲良くなった編集さんに仕事を頂いたことがあります。「コネ」なんて特別なものではありませんが、編集さんとしても仕事を頼むとき人間の心理として、「知らない人」に頼むよりは、知ってる人に頼みたいものです。もちろん 面白い作品を描く というのは大前提ですが。
一期一会を大切に
アシスタントの仕事場にも、その作家さんを担当している編集さんが、出入りをします。
最近はそれこそデータ入稿が増えてきて現場に担当さんが来ることは少なくなりましたが、昔は締め切り前には編集さんが原稿を受け取りに訪れることがよくありました。今でも来る人は来るし、「陣中見舞い」と言ってお土産(主にお菓子)片手にくる編集さんもいます。
そこでその編集さんと会話したり、頼めば原稿を見てもらったりできます。もちろん仕事中はダメですよ。基本その人は作家さんに会いに来てるわけだしね。何回か会ううちに親しくなって、アポイントを取るってことですね。 改めて見てもらえる時間を作ってもらうのです。
作家さんが理解のある人なら、その場で見てもらうことも可能だけど、あまり勝手なことはできないですからね。通常は、直接出版者に持ち込みしたり、どこかの賞に応募したりして担当になってもらうパターンが多いんだですが、そのためには、原稿を何本も描かなければならなかったりします。
完成原稿でなければ、見てもらえないですからね。
でも、現場に来る編集さんには、ネーム(鉛筆書きの、ストーリーが分かるように書かれた、下書き前の下書き)の段階で見てもらうこともできる。(私もこれは経験あります。)もちろん、一本くらいは原稿は完成させて、自分の漫画の傾向やジャンルをわかってもらってからになるけどね。そのまま担当さんになってもらったり、自分の担当は他にいるけど、また別の人の意見も聞きたいという場合には、いいチャンスです。
ただ当たり前だけど、作家さんに一応許可は入れましょうね。別にこれをしなきゃいけない、っていう規定はないけど、断りを入れるくらいは常識ですからね。内緒でやる意味もないし。とにかく、編集さんの方も、たくさんの作家さんと知り合いになりたいのです。しつこいくらいにコンタクトを取るのはいいことでしょう。あくまで、相手のご迷惑にならない程度に(予定があるのに無理やり頼むとかは)ですけどね。
ある編集さんなどは、
『あまり期待できないような新人でも、何度も頼ってくるような奴は、こっちも「何とかしてやろう」と思うもんなんだよ』
と言ってたことがあります。やはりそのあたりは人間、情が結構働いたりするものなのです。
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