漫画テクニック「水」の描き方 形のないものの形を表現する様々な方法とは?

mizu43 漫画テクニック講座 アナログ編

こんにちは OYUKIHANです。

 

今回は 形を捉えるのが難しい「水」の表現方法について解説します。

 

水かー。これまた難しいんだよなー。何しろ形がないもんなー。あまり描きこみ過ぎると汚くなるし、少ないと物足りないしなー。

 

水にもやっぱり漫画なりの表現方法はあるのよ。やり方を覚えればそう難しいものでもないから、こういう時はこうする」っていうパターンを何種類か覚えることが大事ね。

 

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確かに水には形がありません。したがって絵に描くときは普通の物体のように「これが○○である」とアピールするような描き方でなく、その周りにあるモノを利用することで「そこに水があるのだ」という事を読者にわからせる表現方法を使います。

 

・映り込みを利用する方法
・トーンを利用する方法
・ホワイトを利用する方法
・水ならではの特性を利用する方法

一つ一つ紹介していきましょう。

 

映り込みを利用した「川」の表現

 

ベタを使って表現する

 

川や池などにある水は周りにある物体を映り込ませることで表現します。

 

mizu岩の影をほぼ水平にベタを入れることで表現しています。

 

 

mizu2わずかに「波」を意識してベタを入れる方法。ホワイトを上から足しています。

 

トーンを使って表現する

mizu3トーンの重ね貼りで表現する方法。

 

mizu4トーンのフチを実線で描く方法

 

いずれの場合も共通して言えるのは「揺らぎ」の表現がポイントであることです。

映り込みは光の屈折や波のおかげでゆらゆらと柔らかい表情を見せます。それをベタやトーンなどを使って表現するわけです。これが水ならではの特性と言えます。

 

水しぶきの表現

勢いよく出る水の表現方法もさまざま。

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実線で描く場合はできるだけ細い線で、しぶきの方向などを意識しながら描く。一方向ではなく、360度自由に飛び散るのでこの「ランダム感」を表現するのがポイント。

ベタ部分は周りの水が影となって映り込んでいるイメージです。

形としては全体的に「丸い」印象。それが力を加えられることによってちぎれていく。

 

水滴の表現

ちぎれたしぶきのその先にある「水滴」。

こちらもベタやトーンなどでその映り込みを利用しながら描きます。

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ちなみに「水滴」は基本的には「円」でできています。力の方向によって楕円になったりしますが何もしなければ「円、いや「丸い球体」であることを覚えておきましょう。

 

水滴はなぜ丸い? 

水滴が丸いのは、「表面張力があるから」です。
コップいっぱいの水が上にはみ出してもこぼれない実験、誰でも一度はしたことありますよね。
「張力」とは文字通り「引っ張る力」のこと。分子にはそれぞれ内部に向かって「引っ張る力」が働いています。

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水の内部ではそれぞれが引っ張り合って力は均等になっていますが、水滴の表面は「大気」と触れ合っています。大気の分子の張力が水の分子の張力より力が弱いため表面も内側へ向かって引っ張られるのです。だからコップをはみだしていても水はこぼれないわけです。それが360度全面に渡って均等に引っ張られるために「水滴」は丸くなるわけです。

 

こんなとこ豆知識入れて。ドヤりたいのか、単なる尺稼ぎか。

 

 

どっちもです(笑)。描き方には一切関係ありません。

 

シャワーから飛び出る水の表現

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シャワーなどのしぶきは細かいので「ホワイト」などを使って表現する。

水(お湯)の出てくる場所辺りは勢いもあるので線も太くストロークも長い。
先の方は短くて勢い少なく描きます。

トーンが貼れない部分などはホワイトでは見れないのでには軽く実線を入れてみるのもいいです。

シャワーは当然水でなくお湯なので、モクモクとした湯気をホワイトで入れるとさらにリアルになります。

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この湯気はデジタルの場合は「ブラシ」を使って描くことになりますが、アナログの場合はスポンジや綿などを使って表現します。

普通の清掃用のスポンジなどにホワイトをつけて上からポンポンと叩くように入れます。アナログの場合は失敗が許されないので、入れる場所や量など最初にしっかり決めておくこと。他の場所で練習してから入れた方がいいでしょう。

目の粗い方と細かい方を上手く使い分けて、均一じゃない自然な点描にするのがコツです。

 

 

このようにただ漠然と描くのでなく勢いの強さや形を変えて描くと「よりそれっぽい水の絵」になります。水には形がないので「いかにそれっぽく見せるか」がカギです。いろんな方法を駆使して「それっぽさ」を追求していきましょう。

 

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海の表現

 

もちろん実物の写真などがあればそれを見ながら描いていきましょう。なにも見ずにできる人はそういませんし、観察しながら描くのは大事です。

そのうえで「漫画ならでは」の表現方法をご紹介しています。

何もなければグラトーンだけでも表現できますが、物足りない時は少し筆ペンで波を足したりします。島などがあれば映り込みで表現もできます。

フリーハンドの横線で「波」を描きます。手前の波は太い線で長く、遠くに行くにしたがって細く短く、距離感を考えながら入れていきます。

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鉛筆で「潮の流れ」をある程度入れて描く場合もありますが、そこまで気にしなければ」頭の中で何となくイメージするだけでいいでしょう。

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島を描いて映り込みをベタ表現します。距離感を出すためストロークは短めに。

 

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グラを貼って、白波の部分を削るか上からホワイトを入れるかで表現し、完成。ホワイトはトーンの上には乗りにくいので注意。

 

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波打ち際

海で難しいのはやはり波打ち際の表現ですね。
波部分を上で紹介した点描ホワイトで描き、砂浜との境目、引き波の部分は細かな泡の感じを描くことでそれっぽく見えます。

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砂浜の点描はここまで細かくなくていいです。砂トーンを削るとかでも感じは出るでしょう。

重ね貼りするためグラはなるべく薄めのものを使います。

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重ね貼りした後、奥の波と手前の「泡の影」などを実物見ながら削ります。この時、途中のどのあたりに波が来るのか自分で設定し、そこは削らないようにします。波の内側の「影」になる部分の表現に使います。mizu32

そのうえで先ほど設定した波の辺りにホワイトを乗せたりグラを削ったりして波と泡の感じを出します。

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砂浜との境目あたりの波は「水泡」となって固まっています。

上からアップで見ると水泡の影が下の砂地に映っていたりするので、その影と泡との距離感で「高さ」を表現することができます。

 

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プールの水の表現

プールの水はその透明感を表現するためにあまりベタは使わずトーンだけの方が多いようです。

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ゆらゆらした映り込みは実線でもトーンだけでもどちらでもいいです。

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トーンの濃さを調節しながら重ね貼りします。プールの底にあるラインを描くと、それっぽい感じが出ますね。さらに右側の壁の側面までトーンで入れると立体感が出ます。

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水面の波の感じをトーンやホワイトで足して完成です。mizu26

 

 

ちなみにプールなどの表現で、たまにこういう絵が出てくることがあります。

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注 似たような模様でもプールの水面に出る模様は海の水泡とは違う。

 

上記の「海の表現」にも出てきましたが、水面にゆらゆらと浮かぶ白い模様、よくマンガでも水を表現する時に出てくると思います。海にできるこの模様は、「水泡」つまり「泡の塊」であると説明しました。

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では、プールの水面にできる白い模様も同じ「泡」なのでしょうか。

 

結論から言えば、違います。

 

この、プールなど浅い水深の「水の表面」に出る模様のことは

「コースティクス(集光模様)」と言います。

 

コースティクスとは?

水面に当たった光が屈折や反射などで別の場所に映る現象のことです。

そう、この「プールの水面に映る模様は実は「水面」でなく「プールの底」にできている模様なのです。

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したがって上に上げた絵はプールの底とプールの側面に映ってる白い模様がつながって見えるため、水面に模様があるように見えてしまっているので間違った描き方だと言えます。

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これ実はプロの作家さんでもわかってない方けっこういます。まあストーリー自体には何も影響ないので気にしないのでしょう。でも実際に描くとしたらこちらが正しい絵と言えます↓。

 

mizu40

 

したがってこの模様ができるのはあくまで「底の浅い水中」という事になるわけです。

でもなぜかこれを「波」と勘違いして「海」の表現に使う作家さんもいたりします。当然ながら海で底が見える場所など限られているので、広い海原などでこの「コースティクス」が現れることはありません。

もちろんそこまで厳密に気にする必要はないでしょう。でもこういうことを知っておけば、見る人が見れば「わかって描いている」と、好意的に受け取られたりするので、もしご自身で描く機会があればこれを頭に入れて作画していただきたいと思います。

まとめ

 

以上、なかなか形としては捉えにくい「水」の、漫画ならではの表現方法のご紹介でした。

もちろんこれだけが正しいやり方ではありません。いろんな漫画を読んで研究するのもいいでしょう。

リアルに描こうと思えばキリがないので、ある程度「こうすればこう見える」という基本を押さえておくことが大事。

あとは自分で「こうするともっとそれっぽい」という方法を見つけてさらにテクニックに磨きをかけていってください。

ではまた。

 

あー疲れた‥

 

ご苦労さん(笑)。

 

 

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