漫画テクニック 金属・鎧の描き方 ベタの入れ方

kin30 漫画テクニック講座 アナログ編

こんにちは。OYUKIHANです。

今日は、鎧や金属、宝石などの「テカリ系」物質へのベタの入れ方、処理の仕方についてです。

ファンタジー漫画に出てくる鎧など、カッコよく入れられれば重厚感が出て見せゴマもバッチリ決まります。ぜひマスターしましょう。

 

オレ様は無敵じゃー!ぬははははー!kin2

 

アホはほっといて先に進みましょう。

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テカリベタ

 

新品の金属、光沢があってツルツルテカテカした金属の処理は筆ペンでのベタとグラデトーンで処理します。

「水の描き方」の回で描いたのと同じで「映り込み」をベタ処理することで表現します。

ただ水の場合と違うのは金属の形状に応じて映り込む物体の形状や範囲が変わるという点です。

蛇口

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ここでまたちょっとした豆知識を(笑)。水面や光沢のある物質を表現する時、知っておくと便利です。

例えば水の中を真上からのぞき込むと、底の浅い池などは反射が起こらず水中までしっかり見えます。水中

 

しかし同じ水でも遠くの水面を斜めから見るとその水中は反射によって何も見えず、周りの景色がまるで鏡のように映り込んで見えます。

 

水面

 

このように「見る角度によって光の反射が強くなる現象」、

これをフレネル反射といいます。

 

これは水面だけでなく金属の映り込みにも応用できます。

光源を決めたら、光の当たってる部分はハイライトのように強烈に光が当たってるように、反対に暗い部分は色合いをはっきり見せる。メリハリを使って表現するのです。

したがって映り込みが見えるのは「明るく、光の反射が強い部分」という事が言えます。

下側にできるのは映り込みでなく「影」なのです。

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宝石の描き方

 

光輝く宝石類は、その「光の方向」もまちまちです。ただ単ににグラデトーンをベタ張りするだけでも表現はできますが、ここではベタとトーンを使ったワンランク上の表現方法を紹介します。

フレネル反射を意識して白く飛ばすところとのメリハリで表現。

 

ペンダント

 

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縁の部分はアナログでは楕円定規を使って描きます。様々な大きさや形のものを持っておくと便利です。

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グラデを貼って光の部分を削れば完成です。

 

クリスタル

 

様々な角度からの反射が美しいクリスタルは、細めの線を入れることで「面」を作り

その面に沿ってベタやグラデを入れることで色合いや明暗を表現します。最後にホワイトで光を足し、キラキラ感を演出。

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グラデを何枚も使うのはなかなかにもったいない気がするので、こういう場合は「帯グラ」を使いましょう。

(帯グラ・・文字通りグラデーションが帯状に重なったトーン。いろんな種類があるので貼りたい範囲や形状に応じて選びます。)

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ここではわかりやすいように大きめに描いてますが、原稿ではここまで大きく描くことはそうないでしょうから帯グラ一枚あれば十分だと思います。
トーンは今でも高いし(笑)特に学生さんにとってはそう湯水のように使えませんからね。

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くすんだ金属 さびた金属

 

古びたネジなどの「錆びた金属」も「タッチ」で表現することができます。

テカテカに光って光沢のある新品の金属と違い、さびた金属は反射もきれいに映りません。

その「かすみ具合」をタッチで表現するわけですが、その場合には筆ペンは使わずペンで細かく入れることで「錆びた感じ」を出します。

錆びたネジ

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まず鉛筆でネジの外観のアタリを描きます。

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ペンで輪郭線を描きます。この場合は定規は使わず表面のガタガタした感じをフリーハンドで描いた方がそれっぽく見えます。
まだそこまでの技術がない人は定規を当てつつ、所々にがたつきを足す感じで入れればいいと思います。

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「錆び」をペンタッチで表現します。カケアミや斜線をフリーで描いてくすんだ感じを出します。必ずしもここまで細かくする必要はありません。もう少しストロークを大きくしてもいいでしょう。

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先端部分にもタッチを入れます。この時、輪郭は実線で描かず、タッチなどで白い部分を残すことで輪郭を表現します。その方が「古い感じ」が出ますからね。
そしてあまり単調にならないよう「濃い部分」などを入れながらメリハリをつけるのもポイントです。

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更に必要な部分があればタッチを足して完成です。

当然ですがタッチの線はできるだけ細く。これはどんなモノを描くときにも言えます。キャラクターにタッチを入れる時もそう。少なくとも輪郭線よりは細くするのが基本です。

 

鎧 甲冑の描き方

 

ファンタジーバトル漫画などには欠かせない「鎧」などの表現の仕方です。ここでご紹介するのは「西洋」の鎧です。日本の鎧についてはまた別に書いてもいいですが、マンガが限定されるので(笑)。

今回は初心者の方にも描きやすい「西洋の鎧」についてまず押さえておきたいと思います。

もちろんファンタジーの場合だとそこまで構造的にリアリティを持たせる必要ないのですが、やはりある程度の「基本構造」は知っておいた方がいいでしょう。

「わかって描いてる」のとそうでないのとでは作品の「深み」が違ってきます。

もちろん鎧といっても時代や国によって種類があるのでそこまで細かく知る必要はないでしょう。もし知りたいというリクエストがあればまた別の記事で書きます。

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鎧は、専用に加工された鉄板をベルトや鋲などでつなぎとめることで装着できるようになっています。

ファンタジー漫画などでは変な所に鋲があったり、やたら空間が空いてたりするものがありますが実際にはあまりそういったものはありません。

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あくまで「戦う」ことが目的に作られているので実際には不必要な装飾や空間などがあっては戦いにおいて不利になるだけですからね。

でもやはりもう少しデザイン的に派手なものにしたいというのであればそこは自由でいいです。あくまで「基本」という事で紹介してますので、これを踏まえたうえで自分独自の鎧をデザインしてみるといいでしょう。

 

ではここから鎧へのベタの入れ方です。

やはり他の金属などと同じように映り込みで「テカリ」を表現します。鎧の場合は、金属と金属が重なり合っているためその映り込みも複雑です。しかし今までの映り込みの法則を踏まえればそう難しいことはありません。

鎧の出てくるマンガでたとえば有名なのが「聖闘士星矢」あと最近は山口貴由さんの影響をもろに受けた苺野しずくさんですかね・・。


どちらにも言えることですが、ベタの入れ方に「法則性」があるという事です。

金属のラインに沿って「ベタライン」が綺麗に入っていますね。

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あまりランダムに入れるより、このように法則性を考えて入れた方が綺麗に見えます。

ただ少し単調かな‥という気もするので、ラインを少しランダムに、流れるような映り込みで表現するやり方もアリです。

 

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重厚な雰囲気を出したい時は、ベタからのカケアミ処理で表現

 

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ベタは入れずグラにホワイトを入れるパターンもアリです。

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まとめ

 

以上、金属、鎧などの描き方、ベタの入れ方についてでした。

こちらもやはり「映り込み」をどう表現するかにかかっています。

一応反射の法則を解説しましたが、必ずしもそれにとらわれる必要はありません。あくまで参考にしていただいて、皆さんなりの独自の表現方法を考えてみるのもいいでしょう。

 

がんばってください。

パターンにとらわれない、自由な発想も大事だからね!

 

なんだよそれ。ここまでやっといて身もフタもなさすぎんだろ。だったらこんな長々とやるこたねーじゃん。だいたいよーここの管理人がいー加減なんだよなー。久しぶりに田舎帰ってのんびりしたかなんかでこっち戻ってからいきなりホームシックとか言ってやんの。ホントだらしねえったら

 

 

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