スーツ(男性用)の描き方 種類や構造・シワの描き方など詳しく解説!

スーツアイ 漫画テクニック講座 アナログ編

こんにちは、 OYUKIHANです。

今回は「スーツ」の描き方についてです。女性用もありますが今回は男性用だけ、女性用はまた後で書きたいと思います。

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何気なく描いてしまいがちなスーツですが、意外に知らない構造なんかあったりしてカッコよく描くにはコツがあったりします。以前「シャツのシワ」の回で書いたように、シワのでき方なども加えて解説しますので是非参考にして「カッコイイスーツの描き方」をマスターしてください。

 

スーツ各部名称

スーツのそれぞれの名称は以下の通りです。

スーツ31

押さえておくべきポイント1 正面

 

ポイント1 襟の「コージ」部分の位置は結構上。

襟を上と下で繋いでいる部分のことを「コージ」と言いますが、このコージがやたら下に描いてある人を見かけます。

スーツ3

実際はもっと上、ネクタイの結び目辺りにあるのが普通です。

ポイント2 Yシャツの襟部分の下からスーツの襟が始まる。

これもよく見る間違った例ですが、Yシャツの首部分があまり見えないように描く人。スーツの方に意識が行っているのか、シャツの方をあまりしっかり描かない人がいます。

スーツ4

実際はシャツの首元部分はしっかりスーツの上に出ています。

ただしシャツの襟先は決してスーツから出てはいけない。

スーツ5

袖元からも少し出すのが普通。

ポイント3 ウエストを絞める時は「フロントダーツ」までしっかり描く。

スーツのウエスト部分には、体型に合わせてカーブするように絞りが入っていて、縦方法に縫い目がある織り方がされています。この縫い目部分を「フロントダーツ」と言います。

スーツ2あまり目立つ部分ではありませんが、アップにした時などキチンと描いた方がリアルに見えます。

位置は、脇の少し下から始まって前ポケットまでです。前ポケットは第二ボタンとほぼ同じ位置にあるます。

もちろんこの「フロントダーツ」がないスーツもあります。「アメリカントラディショナル(いわゆるアメトラと呼ばれるI型(サックスーツ)」にはこのフロントダーツがありません。

ポイント4 肩口の織り方もいろいろある。

割り袖スーツ7

肩部分と袖部分(袖山)が平らに縫い付けてある袖。もっとも一般的と言われる。

ビルドアップスーツ9

袖山が通常より盛り上がるように縫い付けてある袖。

 

ポイント5 ラベルはペッタンコではない。生地の折り返しに注意。

小さいコマは別ですが、スーツを斜めから見た場面を少しアップで描く時「襟の終わりの部分」がペッタンコに描かれているといかにも素人っぽく見えてしまいます。

 

当然ながら生地が折れ曲がっているだけなので、ラベルの特に下の部分は立体的に見えるように、折り返し部分を意識しながら描くようにしましょう。

スーツ10

ポイント6 フロントカットには種類がある

裾部分のフロントカットには様々な種類があります。

レギュラーカット   通常よく見られるタイプです。スーツ11

スクウェアカット 文字通り 四角に切れ込んでいるタイプです。スーツ12

ラウンドカット レギュラーより少し広めにカットしてあるタイプ。スーツ13

カッタウエイ さらに大きく切れ込んだ、モーニングスーツなどに見られるタイプです。スーツ14

 

 

押さえておくべきポイント2 背中

背中部分の名称はこちら。

スーツ15

ポイント1 丈はお尻がギリギリ隠れるくらい

スーツ16

ただし股下より下に行くことはない。

それ以上短くても長くてもカッコ悪くなるので注意。

ポイント2 背負い線(バックシーム)を体のラインに合わせて描くと綺麗に見える

正面図でも説明しましたが通常のスーツはウエストが絞られているので、背中も腰に向かって軽くカーブしています。

スーツ33

「フロントダーツ」の入ってないスーツはそのまま下にストンとラインが入るだけ。

ポイント3 ベントにも種類がある

背中の一番下のベントにはいろいろな種類があります。上図の真ん中にベントがあるものを「センターベント」と言います。スーツ17

 

ノーベントスーツ18

全くベント(切れ込み)のないものを「ノーベント」と言います。

 

サイドベンツスーツ19

横に二つベントがあるものを「サイドベンツ(複数形)」と言います。

 

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押さえておくべきポイント3 スラックス(ズボン)

 

ポイント1 シワを極力入れず ツルっとした印象に描く

スーツ32

スーツのズボンの生地は基本薄くて柔らかく、ツルツルしています。なので描く時もあまり何度もペンを入れず、なるべく一本の線の強弱で表現するようにしましょう。

シワを入れ過ぎると「デニム」のような印象になってしまいます。スラックスの「ツルツル感」を表現するためにもできるだけシワは入れないようにします。ただ足元の布の溜まり具合はスラックス感を演出する部分なので、布の柔らかさを意識しつつシワを入れていきます。

 

ポイント2 ポケットは体の横側についている

デニムのポケットは前部分についていて、上から手を突っ込むようになっていますが、スーツのポケットは体のサイド部分に「縦」にしかも長目につけられています。ベルトループからファスナーの下あたりまで。

スーツ21

ポイント3 センタープレスは前、後ろについている。

デニムに見えないようにする一番の方法は「センタープレス」を描くことです。センタープレスとはズボンの真ん中に縦に入っている「折り目線」の事。英語では「クリース(crease)」や「センタークリース(center crease)」と言います。

この「センタープレス」は、前だけでなく後ろにもついています。これを描くだけで一気に「スーツ感」が出ますね。

スーツ23

これを前と後ろに綺麗に入れることでデニムとの描きわけができるのと、足の長いスラっとした印象に見せることができます。

 

ネクタイの描き方

へ?描き方も何もネクタイなんて教えてもらうまでもないものだろ。。

確かにイメージとしてはそうかもしれませんが、あまり気を使わないで描いてる人も多いので、一応基本を押さえるという意味で書いてみました。

 

ポイント1 ネクタイは立体である。

ネクタイはご存知の通り、平たくて細いひも状のものを首に巻き付けて使うものなので、どうしても「平べったい」というイメージを持ってる人も多いかもしれません。

しかしよく見ると結び目などは結構「立体的なフォルム」になっています。

スーツ25

 

スーツ24

結び目から下へ延びるくぼみのことを「ティンプル」と言います。これを美しく整えることがネクタイを綺麗に見せるコツです。

正面から見える太い部分を「大剣」、後ろの細い部分を「小剣」と言います。この「大剣」がまっすぐ下に降りているように描くと、間違った絵になります。

平たいネクタイが結び目部分で絞られるため「折れ曲がって」いるように見えます。それを表現してやるとよりリアルなネクタイを描くことができます。

スーツ26

 

ポイント2 ライン模様は結び目と大剣部分では逆になる。

ネクタイの結び方は図解するとこうなります。

スーツ27

スーツ28

大剣を横向きで重ねるため、ライン状のネクタイの場合結び目と大剣のラインの向きが反対になります。

スーツ29男性でネクタイ結んだことのある人は知ってるかもしれませんが、女性の方にはあまりなじみがないので知らない人も多いかもしれませんね。

 

シワの描き方

特徴としてはシャツと違ってあまりシワは入りません。入れるとしてもゆったりとしたしわで、生地の柔らかさや厚みなどを表現します。

スーツ30

気を付けるのは入れ過ぎてヨレヨレにならないこと。

 

まとめ

 

以上、スーツ(男性用)の描き方についての解説でした。スーツも時代によって形が変わったり体型によって描き方が違ったりしますが、基本的なパーツ部分に関してはあまり変化はありません。

練習していくうちに「自分なりの描き方」など見つけていくのもいいでしょう。

頑張ってください。

 

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