さて、ちょっぴり「お天狗」な作家B君の仕事場でのヘルプ体験。
前回の記事 アシ生活の中での私の黒歴史・・漫画アシスタント体験記第44話
暫くは相変わらずな自慢&悪口のオンパレードで辟易としてましたが、まあお付き合いするのも少しの間と思い「仲間内へのお土産話」「ネタを仕込む」つもりでせいぜい好きにさせていました。
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ある日を境に豹変 悪い方に(笑)
しかしそれも連載が順調な時はまだましでした。
私がヘルプに行き始めて2週間たたないくらいの時に、事態は急変。私がいつものように夕方仕事場へ着くと、普段あまり明るく出迎える方ではなかったB君が、わかりやすいほどテンションがた落ち、青ざめたような顔でそこにいました。
どうしたのかと聞くと、
「この連載・・終わるそうです。」
消え入りそうな声で答えるB 君。どうやら最近まで担当編集さんから「人気」の事については知らされてなかったらしいのです。ところがつい最近「人気が下がり気味」であることを告白されたらしく、次の改変期をもって連載を終了してもらうことが決定したらしいのです。
(改変期 「春の新連載攻勢!」など、マンガの連載には時期によってテコ入れが行われるのですがそのタイミングに合わせて人気のないマンガは無理やり終わらされることがちょくちょくあるのです)
自信家のB君もその世界ではまだまだ新人。切られる時は容赦ありません。更にはなにがB君を「より落ち込ませたか」と言うと、その雑誌は本誌ではなく、連載陣のほとんどが新人作家による「別冊」。
B君としては、ここで実績を作り大々的に本誌デビューをもくろんでたらしくその思惑が見事に外れたのと、連載作家の中では人気ある方だと思ってた自分が打ち切りにあったこと、そしてB君の後に連載が決まったのがアシスタント時代にまるでパシリの様にこき使ってた彼の後輩だったという、三重の屈辱(彼にとっては)だったからなのです。
その日から、もう以前の様な自慢話はすっかり鳴りを潜め、今度は「打ち切り」のショックからか話す言葉はネガティブなものばかり。
「もうダメだ」「俺はもう終わった」「なんでよりによってあいつなんだよ」
あとはひたすらため息ばかり。職場の空気の悪いこと悪いこと(笑)。しかしそんなことにめげるB君ではありません(笑)。もう一人のアシくんの励ましや慰めなどものともせず、
「もういいよ」「何もかもどうでもよくなった」「どうせ俺の漫画なんて誰も読まない」
「あ~あ、もうつまんねえ・・・」
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私も最初のうちは励ましの言葉もかけてましたが、あまりにお構いなしで落ち込み続けるB君に半ば呆れ、今度もまた「好きにさしとこ」状態となりました。
そんなこんなで結局その仕事場は「打ち切り」の声とともにヘルプ仕事も同時に終了。
私としてもこれ以上彼の愚痴を聞いてるのも嫌だったので、やれやれと一安心でした。しかしこのことがのちに、私にとっての「黒歴史」となるあの事件につながろうとは…。
別の作家さんの所で一緒にアシスタント?
その頃私は以前の作家さんの所のお仕事が終了し、また別の作家さんJさんの所でアシをやっていました。実はその作家さんこそ、B君がほんの一時アシスタントをやっていた作家さんなのです。
そして仲間のアシさんたちも彼を知る仲間。ことあるごとに彼のうわさを耳にし、その暴言や珍言がその仕事場でもしばしば話題になっていたのです。
そのB君が、なんとその仕事場へ、アシスタントとして再びやって来ることになったのです。
実は、まだ次の連載が決まらないB君を見かねて作家のJさんが「じゃあ決まるまでウチでまた働いてみるか?」と声をかけたらしいのです。(余計なことを…)
ほとんど遊び感覚、次の連載までのつなぎ、アルバイトの小遣い稼ぎのつもりで仕事場にやって来ることになったB君。
すでに「波乱」の予感がヒシヒシ。アシ仲間全員になんとも言えない「嫌~な緊張感」が漂いました。
そしていよいよB君の初出勤の日が来たのです…。
つづく
(この体験記は不定期更新となります。次に続いたり、しばらく後だったりします。ご了承ください。すぐ続きがお読みになりたい方は、こちらをクリックしてください。)
アシ生活の中での私の黒歴史part3・・漫画アシスタント体験記第46話
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